『マンガでわかる認知行動療法』の感想。支援者のための入門書

『マンガでわかる認知行動療法』を読みました。認知行動療法の第一人者である大野裕先生の本です。

保健師、介護士、教師など、支援者が認知行動療法を理解するための入門書となっています。

あとがきによると、大野先生が自費出版された『保健、医療、福祉、教育にいかす 簡易型認知行動療法実践マニュアル』を「さらにわかりやすく簡潔にまとめたもの」とのこと。

「マンガで~」と言っても、各章の導入部分にマンガがはいっているだけで、あとは文章というパターンでした。

とはいえ、解説部分もそれほど文章量が多くないので、短時間で読めました。

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『マンガでわかる認知行動療法』の内容

「うつ・不安」こころ支援のいちばんやさしい入門書

・ストレスを受けても、極端な判断をせず、適度な判断ができるスキル
・看護師、保健師、介護士、カウンセラー、教師など、支援者が必要な技術や知識を解説
・「認知再構成法」「行動活性化」「問題解決技法」など具体的な方法を解説

マンガには支援者として保健師と教師、認知行動療法を受ける人として周産期うつの女性、ストレスが高い会社員、脚の悪い老齢者が出てきます。

内容は、以下の部分が特によかったです。

  • ポジティブシンキングが正しいとは限らない
  • 原因探しではなく、手立て探し
  • 支援者の考えを押しつけない

認知行動療法の話を目にするとき、このあたりを誤解していたり、受診時に「カウンセラーが考えを矯正しようとしてきた」などという声も見かけます。

ネットで聞きかじっただけで間違った解釈をしたり、治療者が理解できていないケースがあるのは残念でなりません。

本書では間違えやすい部分が明確に書かれていてよかったです。

『マンガでわかる認知行動療法』の感想

実は「マンガでわかる」なので患者向けの本かと勘違いしてしまったのですが、支援者向けの本でした。

支援者向けの本で「マンガでわかる」はめずらしいので、こういう本が出たのはいいですね。

本文である解説も、図やイラストが豊富で読みやすかったです。

認知行動療法の本は治療者向けと患者向け両用になりがちですが、本書は治療者に正しい認知行動療法を身につけてもらいたいという意識がビシッと感じられます。

支援の現場や職場などで認知行動療法を取り入れたいという人には、入門書としてぴったりだと思います。

患者側でも、私のように自分で自分のカウンセリングをしたい!でも学術書までは読めない!という人には、より理解を深められる1冊でした。

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