毎年、10月の第2週は「強迫性障害を知る週間」です。2017年は10月8日(日)~14日(土)になります。
知ってもらうからには説明するべきでしょう!ということで、強迫性障害がどういう病気かを書いてみます。
強迫性障害はただの心配性ではなく生活に支障が出る
強迫性障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
強迫性障害では、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまうことで、日常生活にも影響が出てきます。意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。たとえば、不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないといったことがあります。
「手洗いを繰り返してしまう」「何度も確認してしまう」。強迫性障害の私がそう言うと、こんな返事が返ってきます。
「そういうことってあるよね」
「そんなに気にする必要ないのに」
「気が済むまでやればいいじゃない」
普通の人でも似たような不安を感じることはあるでしょう。強迫性障害が精神障害なのは、過剰な行動をせずにはいられなくて苦しみ、過剰さが普通のレベルを超えているからです。
私の場合は悪化時にはトイレ後の手洗いを30分以上して、外出の1時間前からガスの元栓が閉まっているか確認していました。
最終的には、汚れや確認を避けるためにできるだけ外出しなくなりました。それでも、「そういうことってある」と言えるでしょうか?
強迫性障害かどうかの目安は1日1時間以上を費やしているかです。「日常生活に支障が出る病気」と言うよりは、「日常生活に支障が出ると強迫性障害」と診断されます。
重症化すると社会生活が送れなくなる
強迫性障害は自分の思考や行動がコントロールできないことに苦しみます。また、手洗いや確認をしないために行動を「回避」します。
家族や周囲の人に代わりに頼む「巻き込み」を始めとして、汚いと思うものに触らないためにティッシュや手袋を使う、確認をしないために写真を撮るなどもあります。
「回避」が進むとできることが減るとともに行動範囲が狭くなります。学校や会社に行けなくなり、引きこもりになる場合もあります。
「日常生活に支障が出る」が進むと「社会生活が送れなくなる」のです。
強迫性障害がどのような病気かを知ってもらうとともに、早い段階で「強迫性障害かな?」と気がついて治せる人が増えて、重症化する人が減ることを願います。