不安が強い人や不安障害の人におすすめの本をまとめました。
強迫性障害になってから不安の連続だったので、不安への対処法が書いてある本をけっこう読みました。
おもにパニック障害・社交不安障害・全般性不安障害などについて、解説と治療法が書かれた本ですね。
なかでも医師・臨床心理士が患者への治療をもとに書いた本は、不安への具体的な対処法をしっかりと教えてくれました。
カウンセリングを受けているかのように、心を楽にしてくれます。
1.今日から使える 認知行動療法
難読度:普通、264ページ、2018年発行
うつ病や不安障害に効果があると言われているのが認知行動療法。その実践におすすめなのが『今日から使える 認知行動療法』です。
各章の最初には漫画が入っていて、仕事や人間関係で悩む女性が、認知行動療法を受けて成長するストーリーです。
見た目はやや分厚いですが、本文も図やイラストが豊富で飽きずに読めます。取り外しできる別冊ワークブック付きなので、実践もしやすいです。
2.セルフケアの道具箱
難読度:やさしい、304ページ、2020年発行
カウンセリングを受けられない人のためのセルフケアの本で、100個のワークが紹介されています。
一般的な認知行動療法であるコラム法だけでなく、マインドフルネス、コーピング、スキーマ療法にも触れらます。
ページ数は多いですがイラスト多めで文字数はそれほどでもなく、気が向いたときにパラパラ読めます。
3.敏感すぎるあなたへ
難読度:普通、208ページ、2018年発行
一見、引き寄せの法則みたいな内容ですが、マインドフルネスの進化系のような脳に働きかける方法が提案されています。
私は認知行動療法の曝露反応妨害法をやりましたが、行動をとおして脳の反応を変えたと思っています。
『敏感すぎるあなたへ』はイメージや身体感覚を中心にしていて、よりダイレクトに脳内物質に働きかける方法だと感じました。
4.幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない
難読度:やや難しい、284ページ、2015年発行
不安への対処法のひとつが認知行動療法。その中でもACTという比較的あたらしい手法について書かれています。
不安で何が困るって、行動できなくなってしまうことなんですよね。
何かをやらなければいけない、このままでは嫌だ、でもできないという悪循環がつらいのです。
この本では、不安から行動に移すためのステップが説明されています。
5.完全版 不安のメカニズム
難読度:難しい、349ページ、翻訳書、2016年(初版1974年)発行
不安といえばこれ!という、私の中での基本の本。
不安本の参考文献になっていることも多いので、結局はこれを読めばいいという本です。
ただ、過去に出版された2冊が1冊にまとめられており、文字が小さめでボリュームがあるため万人向けではないかとこの順位に。
タイトル通り、不安の仕組みと対処法がしっかりと説明されています。
不安がなぜ起こるのか?という疑問に対して、脳の警報機が~危機管理システムが~という説明はよく目にするでしょう。
本書ではそれだけではなく、不安が私たちにどういった症状をもたらすのか、どう対応したらいいのかが詳しくわかります。
不安の本質を知りたい人には目をとおしてほしいです。
『不安のメカニズム』に似ていてやさしく読めるのは『正しく知る不安障害』です。
不安におすすめの本まとめ
不安に悩んでいる人に特におすすめなのは、『今日から使える 認知行動療法』と『セルフケアの道具箱』です。この2冊はどちらから読んでもいいですね。
一般的に行う治療法を体験したいなら『今日から使える 認知行動療法』。もう少しふくらませているのが『セルフケアの道具箱』です。
3冊目は『敏感すぎるあなたへ』。ほかとは一線を画した方法が載っていて、今後はこういう治療法も注目されるのではないかと思います。
『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』『不安のメカニズム』も良書ですが、専門家と一般の両方に向けた一歩踏み込んだカウンセリングという感じです。余裕があったら読んでみてください。
不安というのは誰もが日常的に経験する身近な感情なので、根拠がよくわからない自己啓発系の本も多いです。
そういう本も読みましたが、やはりきちんと医療の現場で生み出された対処法のほうが役に立ちました。
不安をどうにかしたいと悩んでいる人の参考になりましたら嬉しいです。