テレビ『バリバラ どきどきコテージ』吃音や場面緘黙の男女の交流

2018年1月28日(日)に放送されたNHK Eテレ『バリバラ』を観ました。

「どきどきコテージ」という特集で、吃音の男性と場面緘黙の女性4人ずつ8人の1泊2日の共同生活(旅行?)を追ったもの。前編と後編の2回に分けての放送でした。

私は子供のころは口数が少なくて、友達もクラスに2~3人の少数グループ。少人数だと話せても大勢の中だと積極的に発言できませんでした。

いまでもその傾向はありますし、話す速度も遅いです。なので、自分も場面緘黙になる可能性があったかもしれないと思いながら観ました。

内容をネタバレしていますのでご注意ください。

番組の内容はこちら。
「どきどきコテージ」前編 ~ぎこちない出会いの巻~
「どきどきコテージ」後編 ~本当は伝えたいの巻~

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黙っていても考えていないわけではない

吃音も場面緘黙も言葉が少なくなりがちです。

テレビではあまり見かけない沈黙が続くシーンが多くて、NHKすごいなと感心しました(笑)

番組では、沈黙が続いているときに何を考えていたかが吹き出しで表示されました。

黙っていても何も考えていないわけではなく、様々な感情があることがわかりやすかったです。

場面緘黙のユリエさんは沈黙が続く中で席を離れて、かぶりもののフラミンゴをかぶってきたりもしました。言葉を発しなくても「ひょうきんなことが好き」なんだそうです。

筆談ではなくスマホやタブレットは使わないのか?

疑問に感じたのは、場面緘黙の人はスマホやタブレットは使わないのか?ということです。スマホを持っていたのに、わざわざペンで書く筆談をしていました。

いまどきの若い子ならスマホへの文字入力はお手のものでしょう。私だって、手で文字を書くよりも入力したほうが早いです。

私はいままで、場面緘黙というのは頭の中ではすらすらと言葉が浮かんでいるのに声が出ない状態だと考えていました。

一緒にいてもスマホを使って会話をすれば、会話のスピードはそんなに落ちないだろうと想像していたのです。

ペンを手にしてからも動き出すのが難しそうな姿を見て、そうではないのだと気がつきました。

言葉を発することが難しいという以前に、自分の考えを外に表現する段階で不安が出るのかもしれませんね。

場面緘黙には動作が止まる緘動(かんどう)もある

場面緘黙の人には、動作が止まる緘動(かんどう)が出る場合もあるそうです。

番組内では、場面緘黙の女性が話しかけられて、緘動により止まってしまう場面がありました。ほかの参加者に「(筆談用の)ボード…?」とうながされると、思い出したようにボードを取り出しました。

頭の中では考えているときがある一方で、頭の中が真っ白になってしまうときもあるのかな?

強迫性障害にも、強迫性緩慢という動作が遅くなる症状があります。頭の中でいろいろと考えすぎて行動に移せない症状です。

不安が原因で動作が遅くなったりフリーズするというのは同じでも、脳内は違うのかもしれないですね。

吃音のまま発言をする男性に心打たれた

特に感銘を受けたのは、吃音の男性トモヒロさん。話し始めに同じ音が連続します。

私は吃音は「ははは、初めまして」という風に、少し言葉に詰まるくらいかと思っていました。想像以上に長く詰まることに驚き、これは困難があるだろうと感じました。

それでも積極的に発言する姿がとても良かったです。すごいなあと尊敬しました。

もし自分に吃音があったら、話すのにとても勇気が必要でしょうし、話すことを諦めてしまうかもしれません。

吃音の人を見ていると、ゆっくりでいい、落ち着いてと言いたくなります。

しかし強迫性障害に照らし合わせてみると、いや、そのコントロールが難しく、できないのではないかと思いました。

自分の気持ちを言える場があればいい

前編でみんなの輪に加わらず部屋に入ってしまったマイさん。「帰りたかった」と言っていましたが、後編では自分から水族館に行くことを提案していました。

このまま帰るのは嫌だという思いが、行動につながったのかもしれませんね。

ピザ作りの具を相談するときには、みんながチーズいいね!と盛り上がる中で、マイさんはチーズが苦手なことを言い出しにくく…。

どんな展開になるのかハラハラしましたが、伝えることができました。

それは、受け入れてもらえるだろうという安心があってこそ。

思いが伝わらなかったり、誤解をされたりという経験を繰り返していると、簡単なことではありません。

安心できる場があればいい、できればその場が社会全体でありたいと思いました。

吃音だったら詰まらずに話せる、場面緘黙だったら家族とは話せるという風に、できるときもあるからこそ、できないときが苦しいのではないかとも感じました。

後編は再放送が決まっているので、興味がある人はぜひご覧ください。

再放送予定:2月2日(金)0:00(木曜深夜)「どきどきコテージ」後編

『バリバラ』では、吃音と場面緘黙それぞれの回もあったそうです。再放送されたら観たいです。

吃音(きつおん)と向き合う
「知られざる場面緘黙(かんもく)の世界」

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