コミックエッセイの『強迫性障害です!』を読みました。
おもしろかったです!
病気のことを描いているのだから漫画であっても笑えるわけではないけれど、なんていうんでしょう。
同じ強迫性障害でありながら、こんな症状があるんだとか、こんな風に考えてしまうんだという意外性がありました。
『強迫性障害です!』の内容
強迫性障害をもつ著者自身の半生を描いたコミックエッセイ。ドアノブを壊すほどガチャガチャと戸締まりを確認してしまう「確認強迫」、物が捨てられない「保存強迫」、人にケガをさせていないか気になる「加害強迫」、苦手な数字を見ると動けなくなる「縁起強迫」、など様々な症状をもつ。発症のきっかけ、精神科にかかるまでのいきさつ、診断と通院、漫画家として鮮やかなデビューを飾るも症状と苦闘する日々……。何を「汚い」「怖い」と感じるのか。強迫性障害をもつ著者ならではの感性で、悩みや症状、日常を赤裸々に描く。
(Amazon 強迫性障害です!より)
目次
- 第1章 私は強迫性障害
- 第2章 発症と悪化のきっかけ
- 第3章 苦しみの日々
- 第4章 再治療と回復
- エピローグ その後の私
星和書店のサイトで、表紙の「本をひらく 表紙をクリック」のところから少し試し読みができますよ。
強迫性障害です!/星和書店
『強迫性障害です!』に出てくる強迫性障害の症状
作者さんは漫画の中で「私は強迫性障害の代表的な症状…だいたい全部もってると思う」と言っていました。
たしかに、さまざまな症状が出てきます。大きいのは洗浄と確認でしょうか。
洗浄でウェットシートやアルコールなどを使わないのが、私と同じだなあと思いました。
そして、同じように洗浄にこだわっていても、こだわりかたが違うのが強迫性障害のおもしろいところですよね。
えっ、そんなことするの!?こうしたらいいのでは!?と思う描写がたびたびあって新鮮でした。
いや、本人にとってはそのやり方でなければならないのは百も承知なのですが。人間の発想の多彩さに驚くばかりです。
私なんて本当に貧困というか平凡な強迫性障害だなーと感じました。いや別に、独創的なほうがいいわけでは無いのでしょうけれど。
発達障害ADHD(注意欠如・多動性障害)もある
読んでいる途中からそうかな?と思いましたが、後半で発達障害のADHDでもあることが判明していました。
強迫性障害は発達障害の二次障害としても発症する場合があります。
ADHDですと、実際に失敗が多いことから確認も多くなり、強迫性障害になることもあるそうです。
ただ、私は強迫性障害の悪化時には脳の衰えを感じていたんですよね。短期記憶が弱くなり、マルチタスクもできなくなりました。いまは回復しています。
強迫性障害になってから発達障害の検査を受けた場合、病気によって能力が落ちているか生まれつきなのか、区別できるものなのかな?
発達障害でも強迫性障害でも困っている症状に対処していけばいいので追求しなくていいのかもしれませんが、気になりました。
『強迫性障害です!』の感想
おもしろかったです!(2回目)
最初に本を開いたときには意外とコマが大きく、あ、これはさらさらさらりと読み終わってしまうのかなと思いました。が、じっくりがっつり読めました。
ボリュームでいうと、普通の漫画の単行本がサイズだけ大きくなった感じですかね。
漫画でもコミックエッセイとなると、コマの中に文字がぎっしりで読みづらいものもあります。
この本は漫画家さんが描かれただけあって、とても読みやすくてよかったです。
辛い中でもがんばって働く様子にも励まされました。
最後は「普通のことが出来る」まで回復したところで終わっていました。ここはもう少し、ひどいときの症状がどんな風にどこまで治ったのか知りたかったですね。
私が期待していた回復と治療の部分は少なめでしたが、エピローグでは認知行動療法にも興味が出た様子が描かれていたので、機会がありましたらその過程も読みたいです。続編とかnoteとか。
強迫性障害は症状を言葉で説明すると「そのくらいたいしたことない」と思われがちです。患者会やインターネットで患者さんの話を見聞きしても、それはほんの一部でしかありません。
『強迫性障害です!』では、症状や気持ちが細かく描かれていて引き込まれました。
生活の中でここでもあそこでも困り、トータルでどれだけ大変かということが伝わるのではないかと思いました。
続編も発売です。