強迫性障害の新たな治療法BMI・VRなどの脳科学的アプローチ

強迫性障害の治療法として、将来的に脳波を読み取って脳活動のパターンを正常化させるという方法が研究されているようです。

強迫性障害の人の中には、認知行動療法(曝露反応妨害法)をやる勇気が出ない。もっと楽な治療法がないだろうかという人もいると思います。そういう人には朗報かもしれません。

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ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)

「念じて動かす技術」BMI 難病治療の現場に広がる


BMIは考えたり体を動かしたりするときに脳細胞から出る脳波を捉え、その信号を手がかりにパソコンや装置を操る技術だ。考えるだけでパソコンなどを操作できる「念じて動かす技術」ともいわれ、2000年ごろから研究が本格化した。

<中略>

強迫性障害はわかっていながら確認をやめられない病気で、手洗いや鍵の確認を繰り返す。やめようとすると不安や恐怖などに襲われ、症状が進むと社会生活が難しくなる。薬で改善する患者もいるが、治療が順調に進まない例もある。

研究では、まず脳の活動を測定できる機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で、病気の症状に特有な脳活動のパターンを割り出す。

次に患者にfMRIの装置に入ってもらい、手洗いをやめられない人なら汚れた部屋の写真を見せ、そのときの脳活動のパターンが正常かどうかを伝える。この作業を1時間ほど繰り返すと、無意識のうちに脳が正常なパターンを学習する。感情などをコントロールしやすくなり、症状が出にくくなるという。脳波は使わないが、脳の情報を治療に生かすという点では同じBMI医療だ。

これは、前に強迫性障害の治療にも役立つ?恐怖記憶は報酬によって弱くできるで書いた治療法と同じかもしれません。

両方とも、脳活動のパターンを見ながら正常な脳活動を学習させていくやり方ですね。

現在の認知行動療法は脳活動を見ることはしていませんが、経験値で脳にこういった学習をさせているのだろうと思います。

ATR(※国際電気通信基礎技術研究所、京都府精華町)は昨年2月、所内に精神疾患を治療するクリニックを開設した。患者に治療に参加してもらって、効果を確認している。

この研究を行っている、京都府にあるATRは世界でも最先端の研究機関です。

すでに治療が行われているとのことですが、広く一般的に治療が受けられるようになるのは、まだまだ先の話になるでしょう。

治療に使われる機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)も高価そうですし、大学病院併設の病院などで治療できるようになるかも?という感じですね。

 バーチャルリアリティー(VR/仮想現実)

高所恐怖症、PTSD、上がり症もVRで克服 専用アプリ開発

恐怖症によっては、患者にその恐怖──クモ、飛行機、狭く閉鎖的な空間など──を少しずつ体験させることによって症状が改善することがある。疑似体験療法は、現実世界あるいは想像上の訓練を通して患者に恐怖を感じる状況を体験させるものだ。

リトアニアのモバイルアプリ開発企業「テレソフタス」は、VRのヘッドセットを使えば、安全な診察室でそうした疑似体験療法が行えると考えている。

<中略>

強迫性障害や心的外傷後ストレス障害、アルコール依存症、禁煙の治療におけるVRの活用も視野に入れているという。

曝露反応妨害法の一つとして、トイレの便器の水に手をひたして、手洗いをしないままあちこちに触るというのがあります。※患者の同意のうえで行い、強制するものではありません。

名古屋メンタルクリニックの集団集中プログラムで行われている方法です。

不潔恐怖の私からすると、考えるだけで恐ろしい治療法です。しかし、それを仮想現実で体験できるなら、やってみたいですね。

仮想現実で曝露反応妨害法のような効果が出るのかという疑問はありますが。

米国では、同社以外にも複数の新興企業が同様のアプリの開発に努めている。

一方、スペインでは、新興企業「サイウス」がVRを活用した心理療法アプリを開発している。同社は、創設者の一人が飛行機恐怖症だったのをきっかけに3年前に設立された。

サイウスが開発しているアプリは、心理療法士向けのものだ。ダウンロードし、患者にVRで体験させる環境を選択して、ヘッドセットで再生する。

バーチャルリアリティーを使った治療はヘッドセットとアプリで行うとのこと。こちらのほうが普及しやすいかもしれません。

日本でも、赤坂クリニック内の「和楽会認知行動療法センター」がバーチャルリアリティーを使った治療方法を取り入れています。

 

私は早く強迫性障害を治したいので、新しい治療法が受けられるようになるまでは待っていられないです。もちろん、楽で効果的ならぜひ受けてみたいですけれど。

いまのところは認知行動療法しかないんだから治したいならやるしかないと思いますし、いくら認知行動療法が辛くても強迫性障害でい続けるよりは良いと思っているので、引き続きがんばります。

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