2019年2月5日(火)のNHK『クローズアップ現代+』のパニック障害の特集を観ました。
この日は世界仰天ニュースに引き続き、パニック障害がテレビで2本も取り上げられましたね。片方は強迫性障害にしてほしかったです(笑)
番組のサイトはこちら。
睡眠不足にストレス 突然おそうパニック障害 – NHK クローズアップ現代+
『クローズアップ現代+』2/5パニック障害の内容
スタジオには中川家の剛さん、VTRでは安西ひろこさん、大場久美子さんといったパニック障害の経験者が登場しました。
パニック障害の受診者数は15年で9倍に急増。グラフでは2011年から2014年にかけては減少しており、認知度が広まって落ち着いたように見えました。
患者数は日本では100人に1人とのことでしたが、男女差の話では女性3.8%・男性1.6%だったので、もう少し多いのではないでしょうか。
世界仰天ニュースでは100人に3人と言っていましたね。
パニック障害の原因はわかっていないそうですが、ストレスやアルコール、たばこの量が多い人ほど症状が悪化しやすく、現代病とも言われているそうです。
また、人間関係のストレス―肉親との離別、環境の変化、虐待が引き金になる可能性もあるとのこと。
なんと、先進国では途上国に比べて有病率が5倍!
このあたりは知らなかったので、へえーと思いました。
パニック障害とは
パニック障害は「パニック発作」と「予期不安」があり、「広場恐怖症」を併発することもあると解説されました。
パニック発作
理由もなく突然4つ以上の症状が起こる(どうき、呼吸困難、発汗、震え、吐き気など)
予期不安
発作が起こるのではないかという不安が1か月以上続く
広場恐怖症
交通機関、エレベーター、人混み、会議室などが怖くなる
パニック障害の治療法
パニック障害の治療法は、薬物療法と認知行動療法が紹介されました。
薬物療法(抗不安薬、向うつ薬)
発作を抑え不安を和らげる
認知行動療法
恐怖を感じる状況に段階的に身を置くことで“心の免疫力”をつける
患者が自らパニック障害の症状を和らげる方法として、運動、ヨガ、マインドフルネスも効果があると挙げられていました。
清水栄司医師によると、かつては認知が広まらず、治療を受けられずに重症化するケースも多かった。
現在は早期発見・早期治療が進んで症状改善のケースが増えているそうです。
中川家の剛さんのパニック障害の治療
中川家の剛さんはいまは改善されているそうで、どういう風に治療を進めたか話されていました。
電車に乗るのを2駅から3駅に増やしたり、エレベーターも2階まで乗っていたのを3階までにするとか少しずつ挑戦したそうです。認知行動療法の暴露法と同じですね。
漫才も弟の礼二さんと5対5でしゃべっていたのを8対2に変えたりと、いろいろ試したとのこと。
前にネットの記事でも、パニック障害になってからほとんどアドリブでやっていた、時には礼二さんが一人で舞台に立つ日もあったと言っていてびっくりしました。
普通ならアドリブのほうが緊張しそうですが、「台本通りに喋らなきゃいけない、噛んではいけない」というのがプレッシャーだったそうで。
中川家の漫才はどこまで台本があるのかわからないのですが、パニック障害になったからこそのスタイルだと思うと感慨深いです。
ネットの記事はこちら。
「キンプリ岩橋の気持ちがわかる」「辞めてしまえと言われた」中川家・剛が明かす「パニック障害」の苦悩
パニック障害の患者への接し方
パニック障害の患者さんへの接し方や声がけとして、こういうのはだめ、こういうのはいいという例が紹介されました。
×だめな言葉
- 気のせい
- 気のもちようだよ
- 本当に病気?
- なぜそうなるの?
〇いい言葉
- ありがとう
- 大丈夫
- よくできたね
- そばいにいるから
慌てず焦らず安心感を与える。ありのままを“受け止める”姿勢が大切だそうです。
貝谷久宜医師は「(患者は)自分が迷惑をかけていない・かけたくない。悪い人間と思われたくないという人が非常に多い」とおっしゃっていました。
「(周りの人は)あまり気をつかい過ぎないことが一番。気をつかわれることに気をつかうのがこの病気の特徴ですから」とも。
剛さんは、パニック障害のことを話したら芸人さんたちはみんな笑っていて、「なんじゃその病気、聞いたことない、教えて教えて」と言われたそうです。
それが楽だったと言っていましたが、関西というか芸人さんならではの「いじられて嬉しい」文化じゃないかと感じました。
どういう反応がいいかは人によりそうですよね。アナウンサーのかたもその辺は指摘されていて、さすがの配慮でした。
『クローズアップ現代+』2/5パニック障害の感想
さすがNHKだけあって、きちんと治療法にも触れられていたのはよかったです。
いっぽうで、数人の患者さんも出演されていましたが、やはり言葉だけではなかなか発作のつらさが伝わらないなと思いました。
『世界仰天ニュース』のように再現VTRがあるほうがわかりやすかったですね。
できれば自律神経の話や、鉄とタンパク質不足でもパニック発作が出る話も欲しかったかな。
鉄とタンパク質不足のことを学んでみて、精神科でも体の検査をする必要があると思ったので…。というか、しないのが不思議なくらいです。
もっと言えば、脳の検査で精神的な病気がわかるようになって欲しい!
番組としては、短い時間のなかではかなり充実した内容だったのではないでしょうか。
強迫性障害のこともこんな風にテレビで取りあげて欲しいです。
やっぱりパニック障害のように有名人がなったとか、話題性がないと難しいのかな。
強迫性障害は隠す・隠せてしまう人が多いから、カミングアウトするメリットがないのかもしれませんね。
鉄とタンパク質不足については以下の本がおすすめです。うつだけでなく、ほかの精神障害にも参考になります。