新薬候補として、強迫性障害の治療薬が開発されているそうです。日本で臨床試験が開始されたとのこと。
AIを活用して開発期間を短く抑えられたということで、ニュースになっていました。
強迫性障害治療薬「DSP-1181」
大日本住友製薬と英新興企業Exscientiaは1月30日、AIを活用して創製した新薬候補化合物のフェーズ1試験(健康な成人を対象に安全性を確認するための試験)を日本で開始したと発表した。
この新薬候補(コードネーム「DSP-1181」)は強迫性障害治療薬として開発しているもの。業界平均では探索研究に4年半かかるところ、AIによって12カ月未満で完了したとしている。
同剤は長時間にわたりセロトニン5‐HT1A受容体に作用する強力なアゴニスト。
アゴニストとは作動薬のこと。セロトニン受容体に働きかける薬ということですね。
いま強迫性障害に使われている薬も、セロトニンを調整するものが中心です。
なにが違うんだろう?と考えてみたのですが。
考えられる特徴は「長時間にわたり」「強力な」ですね。
強迫性障害はうつ病とくらべて薬が多く必要です。なので、効果が強い専用薬が開発されたのかもしれません。
新薬ができるまでにかかる期間
新薬ができるまでの流れは以下になります。
基礎研究:2~3年
非臨床試験:3~5年
臨床試験:3~7年
承認申請・製造販売:1~2年
製造販売後調査:6ヶ月~10年新しい薬の誕生:開発期間10年~18年
今回、AIによって期間を短くすることができたのは「非臨床試験」の部分です。
製造販売されるまでには、あと臨床試験と承認申請が必要。合計4~9年かかると思われます。
早くても次のオリンピックごろですね。
強迫性障害の患者さんの中には、ひょっとすると臨床試験でこの新薬候補に出合う人もいるかもしれません。