『強迫性障害のすべてがわかる本』の感想

『強迫性障害のすべてがわかる本』を読みました。

強迫性障害の基礎知識は『図解 やさしくわかる強迫性障害』を読んだのでいいかな?と思ったのですが、薄い本なので読んでみることにしました。

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『強迫性障害のすべてがわかる本』の内容

心に宿る強迫観念が日常生活を蝕んでいく! 繰り返される手洗いや確認。わけもなくこだわる順序や回数。こだわりが止められない強迫症状の実態と効果的な治療を解説。家族の関わり方も具体的にアドバイス。

  • 第1章 わかっているのに、やめられない
  • 第2章 強迫性障害はこだわりの病
  • 第3章 疲れ切ってしまう前に受診を
  • 第4章 回復に向けて本人ができること
  • 第5章 家族が協力者としてできること

第1章 わかっているのに、やめられない

強迫性障害がどういう病気かということ、強迫観念と強迫行為の説明がされています。

強迫性障害のタイプとして、不潔、確認、加害、正確さ・対称性、身体・病気といった例があげられており、家族への巻き込みやうつ病を併発する人が多いと書かれています。

第2章 強迫性障害はこだわりの病

強迫性障害について、もう少し詳しく説明されています。

原因は脳の機能障害だという説があること、発症しやすい性格、発症のきっかけなどです。

第3章 疲れ切ってしまう前に受診を

精神科への受診について書かれています。薬物療法、認知行動療法、そして森田療法にも触れています。

強迫性障害の治療としての森田療法は、最近ではあまり言われないようですが、この本は2008年の発行なので載っているのでしょうか。

第4章 回復に向けて本人ができること

受診と並行して、患者本人の考え方や日常生活を大切にするようにとのこと。

強迫性障害でいっぱいいっぱいになってしまうと難しいですが、「強迫性障害である自分」ばかりにならないことが大切なのかなと思いました。

第5章 家族が協力者としてできること

家族や周囲の協力のあり方について。これは周囲の理解が必要なので、なかなか難しいですよね。

私はフリーランスなので、まさか取引先の人に理解していただくわけにもいきません。よくわからないまま精神病だということだけが伝わったら仕事を切られる可能性が高いので、とても言えません。

強迫性障害のすべてがわかる本の感想

102ページと薄いうえにイラストがふんだんに使われているので、簡単で読みやすかったです。

その代わり、ページ全体がバラバラとした感じで、どこから読んだらいいのかわからない気はしました。悪化時には文章を全部きちんと読まなければいけない強迫もあったので、そのころ読んだらきつかったと思います。

2008年発行なので、森田療法の部分などは少し古いかな?と思いました。

『強迫性障害のすべてがわかる本』を読んでみると、『図解 やさしくわかる強迫性障害』は認知行動療法を押しすぎているのかもしれません。

もちろん、認知行動療法が強迫性障害に有益な治療法だということは体感しています。

でも私は最近になって、薬物療法を試してみても良かったかな~と思いつつあるので、治療法の選択肢を偏らせるのは良くないと思うんですよね。治療法については、何が最良なのかはわかりません。

強迫性障害を理解する1冊としては、やはり発行が新しい『図解 やさしくわかる強迫性障害』がいいです。

薄い本がよければ『よくわかる強迫症』もおすすめです。

新版『図解 やさしくわかる強迫症』が出ています。


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