『強迫症を治す 不安とこだわりからの解放』を読みました。
強迫症を発症した精神科医・亀井士郎先生と、強迫症の研究や治療をされている精神科医・松永寿人先生の共書です。
精神科医でありながら強迫症になったという興味深い立場から書かれた本で、おもしろかったです。
『強迫症を治す 不安とこだわりからの解放』の内容
積んでいる本の山が崩れて部屋が火事になるかもしれないから、何時間もかけて積み直す。ぶつかって人を線路に落として殺してしまうかもしれないから駅のホームを歩けない――精神科医の著者(亀井)は、強迫症(強迫性障害)を発症。強い不安やこだわりに苛【さいな】まれる地獄の日々を送るが、強迫症治療の第一人者(松永)と出会い、回復を遂げる。
同じ症状に苦しみながら、治療を受ける機会もなく放置されている人たちを救いたい。その切なる思いで、強迫症の病理と治療をリアルかつ分かりやすく解説した決定版テキスト。
【目次】
- はじめに
- 第一章 強迫症の疾患概念
- 第二章 強迫症の精神病理
- 第三章 強迫症の治療戦略
- 第四章 強迫症の実際―症例「私」
- 第五章 その他の強迫症例
- 第六章 強迫症の背景
- 第七章 患者と家族のための指南
- おわりに
『強迫症を治す 不安とこだわりからの解放』の感想
お医者さんが書いているので、王道を超えてはきません。文章もかためで、読めないほどではありませんが読みやすくはないです。
とはいえ、人の治療の過程をまとめて読める機会はあまりないので、興味深かったです。
特に入院のところ。
本書では、入院の最中に曝露反応妨害法をおこなっていました。これができる病院は少ないので、貴重な体験談ですね。
曝露反応妨害法をやったからこその、治療に対する姿勢も参考になりました。
特に以下の3つが印象的で、覚えておきたいと思いました。
- 空間を広げよ
- 勝てる戦いを選べ
- 逃げないを重視する
王道を超えないと書きましたが、強迫症を治したいなら王道しかないのも事実です。
王道である曝露反応妨害法に挑戦するうえで、どうすればいいのか。
筆者の体験をとおして心構えやコツがわかる本でもありました。
Amazonで試し読みができます。Audible版もあります。
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