強迫性障害の未治療期間の調査結果

京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学研究グループが、日本における強迫性障害の未治療期間の調査を行ったそうです。

【論文掲載】日本における強迫症(強迫性障害)未治療期間とその原因を明らかに~未治療期間の短縮へ向けて~

京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学 大学院生 松本佳大、講師 中前貴らの研究グループは、日本における強迫症の未治療期間(Duration of untreated illness: DUI)を解明し、DUIが長期化する原因について調査を行いました。本件に関する論文が、科学雑誌『Early Intervention in psychiatry』に2020年12月29日付けで掲載されましたのでお知らせします。

日本における強迫症のDUIが4.7年で、DUIの長期化に治療からのドロップアウト歴、チック症の既往が関連していることを解明し、本研究成果をもとに、今後は強迫症のDUI短縮へ向けた介入が期待されます。

今後の展開と社会へのアピールポイント

本研究結果からは、
・強迫症の知識を一般の方へも広めることにより最初の医療機関受診を早めること
・遠隔診療の導入や行動療法を実施できる施設を増やすことにより治療からのドロップアウトを防ぐこと
によりDUIの短縮を期待できることが示唆されました。
今後は、強迫症の疾患啓発、遠隔診療の対面診療に対しての非劣性検証、行動療法の普及に向けた活動を行っていきたいと考えております。

【論文掲載】日本における強迫症(強迫性障害)未治療期間とその原因を明らかに~未治療期間の短縮へ向けて~

日本における強迫性障害の未治療期間(DUI)は4.7年で、治療からのドロップアウト歴やチック症の既往が関連しているとのこと。

4.7年の内訳は、強迫性障害を発症してから最初に受診するまで2.8年、そこから十分な治療を受けるまで1.9年。

初診までと、十分な治療を受けるまでの2段階で時間がかかるということですね。

長い!!

未治療期間が長くなると脳の変化が進んだり、薬への反応が低下するという報告もあるそうです。

また、最初の医療機関受診までに1年以上がかかった方について理由を調査したところ「強迫症状が病気だと思っていなかったから」「強迫症状を自分で制御できると思っていたから」という理由が多いことがわかりました。

日本におる強迫症(強迫性障害)未治療期間とその原因を明
らかに(PDF)


私も強迫性障害を自分で治したいと思ったのでわかります。

実際に『図解 やさしくわかる強迫性障害』を参考に治しました。

新版『図解 やさしくわかる強迫症』が出ています。

でも、受診していればもっと早く治ったかもしれないという後悔もしています。

「強迫性障害でもなんとかやっていける」状態が長かった。病気レベルじゃなくなるまでは、なんだかんだ2年半くらいかかりました。

自分で治せなければ受診すると決めていましたが、線引きが甘かったですね。

強迫性障害の治療が広まるには、病気への理解と治せる医療機関が必要です。

「十分な治療を受けるまで」時間がかかるのは、受診したのに十分な治療を受けられていない患者が多いのではないでしょうか。

病院に行っても無駄かもしれないと思うから、自分でなんとかしようとしてしまうのでしょう。

研究結果をもとに、正しい治療につながれる患者さんが増えることを願います。

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