『うちのOCD(強迫性障害/強迫症)』の感想

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『うちのOCD(強迫性障害/強迫症)』を読みました。強迫性障害の夫を妻の視点から書いたコミックエッセイです。

私はこの本について、勘違いをしていたんですよね。というのも、試し読みができる部分は、夫さんが強迫性障害を発症したきっかけが車を運転することへの不安…つまり加害恐怖・確認強迫だったのです。

試し読みはこちら。
うちのOCD(強迫性障害/強迫症)/星和書店

なので、不潔恐怖症の私が読んでもいまいちかもと興味を持っていませんでした。実際は不潔恐怖もだいぶある人のお話でした。

『うちのOCD(強迫性障害/強迫症)』の内容

本書は、強迫性障害(OCD)を持つ夫とその妻(著者)との日常生活を描いたコミックエッセイである。

何回確認してもすぐ不安になり、そのため行動に時間がかかり疲労も強まるのが特徴のOCD。そのため外出することもつらくなり、生活に支障が出てくる。

長年の間、病気とも思わずにOCDに苦しめられていた夫の強迫行為に最初は巻き込まれていた妻が、OCDという病気の存在を知ることで、「人が悪いのではない、病気が悪い」と考えるようになる。そして治療を受けることになり、回復への道を歩み始める。

強迫性障害はどのようなものなのか? どのように回復していけるのか?この過程が実に克明にマンガで描写されている。読み出したらやめられない、本当に面白く、心に響く作品であり、この病気にまったく関係ない方が読まれても、笑いあり、涙ありのストーリーとなっている。

  • 第1章 OCDって、どんな日々?
  • 第2章 情報にたどりつけない!〜治療に到るまでの道のり〜
  • 第3章 治療する日々
  • 第4章 やってみてよかったこと10項目

第1章 OCDって、どんな日々?

『うちのOCD 』は夫で強迫性障害である「アシカさん」のことが、妻で著者である「こぶたさん」の視点を中心に描かれています。

発症のきっかけは運転への強迫。でも、不潔恐怖を中心に様々な強迫が出てきて生活を圧迫します。

優しくおだやかなアシカさんと、強気なこぶたさん。アシカさんは付き合い始めは自分の変なこだわりを隠しています。

けれど、同棲して生活を共にするようになると隠しきれず、巻き込みが増えていきます。

こぶたさんもおかしいと思いつつ、アシカさんに必死にお願いされると最終的には譲る優しさがあり、いつしか強迫行為が二人の生活ルールになっていました。

強迫性障害の患者が頭に思い浮かべている強迫観念に、その人なりの理屈があることがわかります。

第2章 情報にたどりつけない!〜治療に到るまでの道のり〜

こぶたさんの気持ちとして「アシカは病気なのか?」「こんなふうな病気なんてあるんだろうか?」という心の声が書かれています。

おかしいと思い、苦しみながらも病気だとわからない。性格の問題、ただの癖や習慣だと思ってしまう。ここにも強迫性障害の怖さがあると思いました。

二人は情報収集を始め、テレビでOCDのことが取り上げられているのを見て、やっと強迫性障害という病気を知ります。

いまはインターネットを使っていれば、すぐに強迫性障害という病気に行きつけます。でも、強迫性障害の人の中には、アシカさんのようにネットが怖くて使えない人もいるのですよね。

そういう人のためにも、テレビや新聞でも強迫性障害のことを周知して欲しいです。

アシカさんは病院に行き、強迫性障害だと診断されます。しかし、強迫が強くてすぐには通院して治療を受けることはできません。しばらくしてからいろいろとあり、本格的に通院を始めます。

通院と薬に対する抵抗の強さは、私も同じなのでよくわかります。

第3章 治療する日々

薬を飲み始めたアシカさんは、だんだんと不安が弱くなっていきます。

にもかかわらず、アシカさんが「薬そんなに効いてないような?」と言う描写があり、おいおい、それは病院がかわいそうだろうと思いました(笑)

薬物療法は不安が弱くなってできることが増えていくのだと思いますが、本人はできることが増えた実感のほうが強く、不安が弱くなったことには意識が向かないのかもしれませんね。

どんな薬をどのくらい飲んだのか、副作用、減薬についても書かれています。

認知行動療法のことも知りますが、通院と治療費がハードルとなり、自分たちでできることをやってみるという選択をされています。

第4章 やってみてよかったこと10項目

4コマ漫画で、同じ状況のときに患者の立場からと家族の立場から、それぞれやってみてよかったことです。

強迫に囚われてしまったときの気持ちの切り替え方や、家族の考え方の工夫が書かれています。

夫婦二人が強迫性障害の治療に向き合い、ときには不調があることも受け入れながらもうまくやっていこうという姿勢が素晴らしいです。

『うちのOCD』の感想

最初は絵柄があまり好みではないのと、こぶたさんの乱暴な口調とキレる描写に抵抗がありました。

でも読み進めているうちに、気が強いけれど優しいこぶたさんと強迫性障害に苦しみながらも穏やかなアシカさんは、いい夫婦だなと思えました。アシカさんもピンチのときには強迫を乗り越えて行動したり、頼もしい一面も見られるんですよ。

強迫性障害がどんな病気かというのも漫画だとわかりやすいですね。不安や恐怖というのは文章だけだとなかなか伝わりにくいので、絵だと理解しやすいのではないでしょうか。

あくまでもアシカさんの体験なので私とは違う部分もありますが、だいたいは一緒だと思いました。

薬物療法でどういう風に治っていくのかを知りたい人や、家族や周囲に強迫性障害の人がいて患者の気持ちを理解したい人にもおすすめです。

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