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『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』の感想。うつ病が治った体験談を漫画で読める

      2018/06/11


『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』を読みました。

強迫性障害ではうつ病を併発する人も多いです。私はうつ病まではいきませんでしたが、悪化時にはうつ状態にはなっていました。

noteというサイトでは一部無料で読めます。
うつヌケ 〜うつトンネルを抜けた人たち〜 | 田中圭一 | note

『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』の内容

著者自身のうつ病脱出体験をベースにうつ病からの脱出に成功した人たちをレポート。うつ病について実体験から知識を学べ、かつ悩みを分かち合い勇気付けられる、画期的なドキュメンタリーコミック!

目次

  • 第1~3話 田中圭一の場合1/2/3
  • 第4話 照美八角の場合
  • あの時ボクはうつだった その1/その2
  • 第5~12話 体験談:折晴子/大槻ケンヂ/深海昇/戸地湖森奈/岩波力也・姉原涼子/代々木忠/宮内悠介/鴨川良太
  • 第13話 精神科医・ゆうきゆうの話
  • 第14~19話 体験談:ずんずん/まついなつき/牛島えっさい/熊谷達也/内田樹/一色伸幸
  • 第20話 総まとめ
  • エピローグ
  • うつヌケこぼれ話 その1/その2
  • あとがき

うつ病が治った体験談がたっぷり読める

うつ病になる人が増加しているというのに、うつ病が治ったという人の話は、なかなか聞くことがありません。

日本ではまだ精神疾患になったというのは汚点になりますし、偏見もあります。

本として出ているものも、多くは著者本人の体験談だけですよね。最近ではお医者さんがうつ病になった経験を書いた本をよく見ますが、それもやはりご本人一人の体験です。

そんな中で、『うつヌケ』は改善した・治った体験談がたっぷりと詰め込まれているのが良いです。

登場する人たちがクリエイティブな職業が多いので、そもそも仕事が好きじゃない、生きがいがないという人は共感できにくいかもしれません。

でも、仕事にそれなりに意欲があり、また元気になって働きたいという人には励みになるのではないでしょうか。

大槻ケンヂさんは不安神経症・心気症も併発していた

私が一番読みたかったのは、第6話 大槻ケンヂさんのお話です。

体験談の中で一番知っている人だったというのもありますが、全盛期を知っている世代としては、彼がなぜうつ病になったのかという興味がありました。

大槻ケンヂさんはパニック障害、不安神経症、心気症も併発していたそうです。そんな彼がうつヌケに至った気づきは…。

「うつ」とは自分の持つエネルギーが心の「闇」に集中することなんだ―と

ならこのエネルギーを他のことにむけよう!(46ページより)

これは私も強迫性障害とのお付き合いにおいて考えていたことなので、びっくりしました。

強迫性障害に向いているエネルギーを他のことにむけるというのは大事なんですよね。

また、大槻ケンヂさんは森田療法に出合って気が楽になったそうです。

森田療法は強迫性障害にも使われる治療法ですから、大槻ケンヂさんのうつヌケはとても参考になりました。

うつの原因と『うつヌケ』のコツ

著者の田中圭一さんは、うつになる原因は「自分を嫌いになるから」でヌケるには「自分を好きになればいい」と語ります。

もう少し掘り下げると、人は「理想と現実の違いについていけなくなった」ときにうつになるのだと思います。

仕事をバリバリやって評価されている人もうつになるし、評価をもらえない人もうつになる。

ありのままの自分を受け入れられないから、うつに陥ってしまうんですよね。

『うつヌケ』では「自分を肯定してくれるものに近づこう」と書かれています。

もちろん人に認めてもらったほうが肯定感は大きいですが、自分で自分を肯定するのでもいいそうです。「自分を好きになる」ですね。

自分を好きになるにはハードルを下げる

自分が等身大の自分を認めることでも、『うつヌケ』はできる。本当に小さなことから自分を褒めてあげることが、うつから抜け出す道だと思います。

私が強迫性障害でうつ状態になったのは、自分が精神病になるなんてあり得ないと過信していたからです。

自分は神経症になるような人間じゃないと抵抗して、うつ状態になってしまった。

なので、「自分は神経症になるタイプの人間なんだ」と認めました。それなりに強さを身につけてしっかりやれていると思っていたけれど、本質は神経質で怖がりだったのです。

強迫性障害になったという現実の前では、自分を過大評価しても仕方がありません。自分の弱さを認めました。

そこから「強迫性障害になった私なんて嫌だ」「一刻も早く治さなければ!」と焦る気持ちが減り、小さなことからコツコツと改善していけました。

 

また、産後うつの経験がある『規格外な夫婦』の龍たまこさんは、こんな風に書かれていました。

たまこのうつ病体験記 その35 規格外な夫~セロトニンが、足りません~

自分で基準を作り直して合格ラインをすげーーーー低くすればいいんじゃないか?

そこでたまこは「まずは生きてりゃ合格」ってことにした

それ以外はプラスα

「今日も目がさめた!!」で合格・100点というのが素晴らしいです。

自分を肯定するには小さな達成感を見つける

小さな達成感を得られる「なにか」を見つけよう(160ページ)

うつ病で苦しんでいて、心も体も動かない人にとってはなかなか難しいことではありますが。

私の場合は、強迫性障害を自分で治そうとしたことが達成感になりました。

と言っても、いきなりどーんと曝露反応妨害法に挑戦したわけではありません。

私が最初にしたのは、夜にきちんと眠ることでした。

  1. 朝日を浴びるためにカーテンを開けて寝る
  2. 夜寝る前に必ずトイレに行く
    (トイレに時間がかかるので行くか迷っているうちに寝落ちしていたため)
  3. 寝落ちせず電気を消して寝る
  4. 電気を消したらスマホを見ない
  5. ベッドにはいったらスマホを見ない

寝るだけでも細かく課題を分けて、できた!と思うようにしました。

きちんと睡眠を取ることでだんだんと昼間も動けるようになり、身体にいいことを少しずつ始めていきました。

何をしたかはこちらの記事に書いてあります。
強迫性障害を少しでも良くするために心がけていること

『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』の感想

うつ病が治った…とまではいかない人もいますが、体験談がたくさん読めて満足でした。

漫画という読みやすい形なのも良かったです。

一人一人の体験が短くまとめられているので、丁寧に読まないとうつ病になった!治った!と軽く見えてしまいます。

しかし、よく読むとみなさんそこそこ長く暗闇をさまよっていらっしゃいます。うつトンネルにいた時間、気づきにたどり着くまでの時間の重さを考えながら読むと、うつの大変さがわかります。

それぞれの『うつヌケ』に気づきや試行錯誤があり、とても参考になりました。

もしもまた気分が落ち込んだりうつ状態になることがあっても、私なりの『うつヌケ』を見つけられそうです。

本格的なうつ病になる前に引き返す方法を知っておける良書だと思いました。

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