『図解 やさしくわかる強迫性障害』の感想

『図解 やさしくわかる強迫性障害』を読みました。買うときには、3章の認知行動療法のやり方さえわかればいいと思っていましたが、そのほかの部分も興味深かったです。

新版『図解 やさしくわかる強迫症』が出ています。大きな変更はないので『~強迫性障害』を読んでいない人は新しい『~強迫症』を買うのがおすすめです。

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『図解 やさしくわかる強迫性障害』の内容

手が汚れている気がして洗うのを止められない、カギをかけたか心配で外出するのに時間がかかる…。

ただの心配屋、きれい好きならいいのですが、それらの行為が度を越えて、日常生活を脅かしているのなら、あなたも強迫性障害かもしれません。

本書は強迫性障害の第一人者、なごやメンタルクリニックの原井先生、岡嶋先生が、この病気の正体、症状が出るメカニズム、治療法を丁寧に解説します。

一見不可解な病気ですが、本書では図解と親しみやすいマンガを使って実例をもとに紹介しているので、なぜ患者がこの病気で苦しむのかが手に取るようにわかります。

後半では治療効果に優れた行動療法(ERP:エクスポージャーと儀式妨害)の進め方を6日間のプログラムとして紹介しており、治療のようすがわかるだけでなく、クリニックに通えない方は自宅で実践することもできます。

また巻頭には強迫障害を克服した人たちの座談会のようすを、コラムでは治療中の方や家族の体験談を掲載しています。これらを読めば治療への希望、勇気がわいてくることでしょう。

  • 1章 強迫性障害(OCD)を理解しよう
  • 2章 強迫性障害(OCD)を治そう!
  • 3章 ERP(エクスポージャーと儀式妨害)の実態
  • 4章 再発の予防と対処

2章と4章は短めで、1章と3章が長いです。

1章 強迫性障害(OCD)を理解しよう

強迫性障害とは、どのようなものかが書かれています。OCDが起こる原因や、OCDの種類など。買う前は、この辺はネットで調べたから要らないと思っていましたが、あらためて読むと知らない情報もありました。

特に、OCDが起こる原因の一説が、興味深かったです。「暇は強迫の餌になる」という言葉は見たことがありましたが、具体的な脳のメカニズムが書かれていて、なるほどと思いました。

2章 強迫性障害(OCD)を治そう!

治療を受けることの大切さが書かれています。ただし、行動療法ができる専門家が少ないため、この本では自分でも行動療法ができるように解説してあるとのこと。

強迫性障害の重症度をチェックする「パドゥア尺度」と「Y-BOCS」も載っています。私は、悪化時にやったときは「重度のOCD」でしたが、いまは「中程度のOCD」でした。

3章 ERP(エクスポージャーと儀式妨害)の実態

ERP(日本語では曝露反応妨害法)がどのような治療法か、なぜ有効なのかという解説、実際のやり方が書かれています。ERPをやろうという気持ちになるための、心の準備についても書かれているのが、とてもいいと思いました。

私はいままで、行動療法もどきを試してきていますが、辛くて進めないときには「とりあえずこのままでいい」と思ってしまいます。「治したい」という最終目標を見失わないように、心の準備からやりたいです。

肝心のERPのプログラムについては、わからない部分がありました。

この本には、「6日間のプログラム」と「3日間の集中トレーニング」の方法が載っています。3日間は「儀式妨害(水抜き)」と言って、一切の手洗い禁止です。

なので、6日間にチャレンジしたいのですが、「手は洗いたいと感じてから30分待つ」と書かれているのに、「手洗いしたくなったら我慢して~」とも書かれていて、どのタイミングで洗っていいのかがわかりません。

6日間でも洗わないのだったら、3日間と変わらないので、日数が長い分そちらの方が辛いと思うのですが、何か読み間違えているのかな。もう少し詳しい解説が欲しかったです。

どちらにせよ、今の私には手洗いを一切しないERPは無理なので、自分なりの方法でやるつもりです。

4章 再発の予防と対処

OCDの回復には3段階あること、再発した場合の対処法や、再発しないための方法が書かれています。

強迫観念が浮かんできたときのための、「心と体の緊張をほぐすリラックス法」も載っています。私はこれに近いことを自己流でやっていたので、これからは本のやり方も取り入れたいです。

『図解 やさしくわかる強迫性障害』の感想

強迫性障害の仕組みやどうすれば治るかが、わかりやすく書かれていて、読んでよかったです。実例やイラストが豊富で、読みやすい。1,620円で、これだけの情報が手に入るのは安いと思いました。

期待していたERPのプログラムは、もう少し詳しく知りたかったですね。でも、基本的なことはわかったので、自分なりに工夫してやってみます。

不潔恐怖症の人を例にしていることが多いので、それ以外の確認強迫や縁起強迫の方には、もの足りなさもあるかもしれません。

私は不潔恐怖症なので、満足感がありました。この本を読みながら、ERP(曝露反応妨害法)にチャレンジします。

新版『図解 やさしくわかる強迫症』が出ています。

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