『大人のための「困った感情」のトリセツ』の感想

『大人のための「困った感情」のトリセツ』を読みました。

Amazonで心理学系の本を見ていたら、この本の著者である水島広子さんの本がちらほらと目について興味を惹かれました。精神科医であり、衆議院議員をされていたこともある人だそうです。

『大人のための「困った感情」のトリセツ』では「不安」にも触れられているので読みたいと思いました。

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『大人のための「困った感情」のトリセツ』の内容

  • 1章 怒り
  • 2章 不安
  • 3章 不機嫌
  • 4章 悲しみ
  • 5章 悔しさ
  • 6章 寂しさ
  • 7章 罪悪感
  • 8章 こんなとき、どうする?―安心して、感情をお使いいただくために

ムカついて仕方ない、不安が消せない…こんな気持ちは何かのサイン。対人関係療法の第一人者が怒り、不安、悲しみ、悔しさ等「感情のカラクリ」と「取り扱い方法」を丁寧に解説!心の動きがわかり、感情に振り回されなくなる本

この本はずばり、感情の取扱説明書。

私が強迫性障害になってから頻繁にお付き合いするようになったのは、不安、悲しみ、寂しさ。悪化時には怒り、不機嫌、悔しさ、罪悪感もあったな…って、全部ですね(笑)

そういった感情には、取り扱い方があるんだそうです。感情というのは、病気じゃなくても日常的に感じるものなので、対処法を学んでおくと楽ですよね。

感情には対処方法がある

しかし、ひとたび引き起こされてしまった「困った感情」をどうしたらよいか、ということについては、これまで案外語られてこなかったのではないでしょうか(「はじめに」より)

たしかにそうかも。

私も感情というものは自然に発生して止められないもので、諦める、気をまぎらわす、時の流れにまかせる、頭の中でこねくり回して自分を納得させるという風に、正面からではなくて、なんとなーく解消している気がします。

それぞれの感情にしっかりとした対象法があるのなら心強い!

そもそも感情も人間にそなわった「機能」であり、熱いものを触ったときに手を引っ込める「身体感覚」と似たようなもの。しかし、感覚と違って感情はとらえかたを変えられるそうです。

不安は「安全ではない」というサイン

たとえば「不安」という感情は、<中略>「自分の安全が確保されていない」ということを「知らせる」もの。(14ページ)

不安には、「解消できる不安」と「感じるしかない不安」があります。(62ページ)

「解消できる不安」と「感じるしかない不安」。

「解消できる不安」の解消方法は、人に話を聞く、実際に見に行ってみるなどの「知る」作業があげられてました。

これって強迫性障害だと強迫行為につながってしまう行動ですが、ある程度までは効くのでしょう。だからこそ強迫性障害になっても、解消されることを期待してそういう行動を取るのですし。

そして、できるだけのことをしても「何が起こるかわからない」のは「感じるしかない不安」なんだそう。でも、人生は常に「何が起こるかわからない」ものです。

つまり「解消できる不安」と「感じるしかない不安」があるというよりも、不安はある程度までは解消できる、その先は感じるしかない、ということではないでしょうか。

感情は何かのサイン

そのほかの感情が何を表しているものなのかというのも、参考になりました。

特に感心したのは、「怒っている=困っているサイン」です。たしかに怒っている原因には、「こうあるべきなのに現実は違う」という場合が多いなあと思いました。

たとえば、並んでいる列に横入りされてムッとするのは「並ぶべきなのに」という気持ちがありますよね。

怒っている人を思い出してみても、「こうしたい」という主張が怒りになっているように見えます。わがままと言ってしまえばその通りなのですが。

怒っている人を「この人は困っているんだな」と考えると、なにか解決策があるかもしれません。

まあ、「それは私にはどうにもならないよ」という場合もあるでしょうけれど(笑)

『大人のための「困った感情」のトリセツ』の感想

読みやすい文章とシンプルなイラストですらすらと読めます。

私は、感情というものはただそこにあるものだと思っていて、原因や発生するメカニズムについて深く考えたことがなかったなあと思いました。

強迫性障害になってからは不安になったり悲しんだり、右往左往してきました。

あの感情が「どうしようもない」ではなく、「どうにかできる」だったら、もっと楽だったでしょう。

ただ、私もすでにいい大人でして。基本的にはそこそこ感情のコントロールをしてきたので、どれもこれもが目からウロコが落ちる、というほどではなかったかな。

自分の感情をどうにもできないという人は、対象法のひとつとして読んでみるといいと思います。

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