強迫性障害についての記事が文春オンラインにアップされていました。Yahoo!ニュースなどにも配信されていたので、ご覧になった人も多いのではないでしょうか。
最後に出てきた医師の言葉にびっくりしたので、書いておきます。
納得するまで確認してもいい?
行き過ぎた「心配性」にご注意を “強迫性障害”との向き合い方とは?
心配症や神経質が行き過ぎて日常生活に支障をきたすと、「強迫性障害」という病気で治療が必要になりますよという、よくある記事です。
治療法には認知行動療法も紹介されていて、ちゃんとした内容だと思いながら読んでいたのですが。
丹羽医師によると、このタイプの人は約束を確実に守るし法令順守精神も高い。そもそも用心深いので、忘れ物をすることも少ない。火の不始末や戸締りの不備などのリスクは、普通の人に比べて低いという。
自分がそんな利点を持っていることを、まずは認めることから始めましょう。
そして、毎朝10分でも20分でも時間を作って、家を出る前に納得するまで何度でも火の始末と戸締りを確認することを日課にしましょう。悪いことじゃないんだから。
いつか、消防と警察から表彰されるかもしれませんよ。
……。
強迫性障害は”少しだけ”では済まなくなる病気
毎朝20分の確認という強迫行為。それだけで済めば「悪いことじゃない」かもしれませんね。
しかし、それだけで済む人はどのくらいいるのでしょうか?
私の強迫性障害は、最初はまさに家を出るときの確認から始まりました。どんどんひどくなって不潔恐怖症も出て、仕事や外出もろくにできなくなりました。
毎朝20分の確認は、私の経験からはとてもおすすめできません。
せいぜい5分、家が広くても10分が、ただの習慣と言い切れる限度ではないかと思います。
もちろん、本人が苦痛を感じていなくて家族も誰も困っていなければ、好きなだけしてもいいでしょう。
強迫性障害は強迫行為をやめて治す
強迫性障害の治療法では強迫行為をやめる練習をします。
なので、この記事では治療法とは逆のことが書いてあるわけです。
回答していらっしゃるお医者さんは名古屋市でクリニックの院長をしていらっしゃる先生。サイトを見ると強迫性障害の治療として認知行動療法も取り入れられています。
強迫性障害の治療法を知らずに発言しているわけではなさそう、むしろ詳しそうなので、どういう意図なのか不思議なご意見です。
気にしすぎることなく強迫行為をしたい気持ちを認めようという意味なのかもしれませんが、強迫性障害予備軍の人にとっては言葉足らずで危険な提案だと思いました。