『マンガでやさしくわかる認知行動療法』を読みました。
ストーリー漫画に解説の文章がついている形なので、認知行動療法が実生活の中でどのように使えるかイメージしやすかったです。
『マンガでやさしくわかる認知行動療法』の内容
うつ病やパニック障害などの精神疾患の治療法としてだけでなく、不安やモヤモヤ、イライラなど日常の心の問題に対処する精神療法として注目されている「認知行動療法」をマンガのストーリーと詳しい解説で気軽に学べる1冊です。
物語の主人公は、突然の子会社への異動で軽度のうつ病の症状が出て仕事もプライベートもうまくいかなくなってしまった主人公の夏野梨香。
彼女が飼い猫のハル大将のサポートを借りながら不安やうつを乗り越え、自分に向き合う姿を描きます。
治療の過程で使える「状況整理シート」など、ツールも豊富に掲載します。
目次
- プロローグ 認知行動療法って?/【漫画】ウチの猫がしゃべった!?
- Part1 自分の気持ちや考えを整理する/【漫画】モヤモヤとランチの問題について
- Part2 考え方のクセを理解する/【漫画】心のバランスを見直そう
- Part3 「いつもと違う行動」で世界を広げてみる/【漫画】「できない」って言ってみたら…
- Part4 問題解決に取り組む/【漫画】 消えた「期待」と「モヤモヤ」
- エピローグ いなくなった「おしゃべり猫」
ページ数は漫画が1/4、文章が3/4くらいです。漫画の内容もしっかりしていて印象的なので、ページ数以上に漫画が多く感じて楽に読めました。
「マンガで~」ということで簡単さを求めていましたが、解説の文章はしっかりしていて読むのに少し頭をつかいました。
前書きには「説明でも専門用語をできるだけ使わず」と書いてあるものの、そのわりには使われていたぞという感じです。
このあたりは、認知行動療法をやりたい人だけに向けた本ではなく、認知行動療法を学びたい人も視野に入れたことの限界かなと思いました。
『マンガでやさしくわかる認知行動療法』の感想
漫画部分の絵とキャラがかわいくて読みやすく、とてもよかったです。主人公もかわいいし猫もかわいい!
ただ、主人公の職業は広告代理店とキラキラ系なので、やや共感しにくいかも。
漫画のストーリーでは、悩みが発生したときに「答え合わせ」が無いのがいいなと思いました。
たとえば主人公はAさんに嫌われたかも!どうしよう!?と悩み、認知行動療法で違う見方を探すわけですが。Aさんに本当に嫌われたのか・考えすぎだったのかがはっきりとわかる描写はないのです。
なーんだ、勘違いだったじゃない!という展開だと、現実で勘違いじゃなくて本当に嫌われたらどうすればいいんだろう…と悩んでしまいそう。
現実では確認できないことが多いので、そこを描かないのはいいですね。あくまでも自分のとらえ方次第ということなのでしょう。
漫画のラストも、ほどほどな終わり方で好感が持てました。
認知行動療法があれば何もかも望み通り!幸せになれる!みたいなのだと引いてしまうので(笑)
全体的な感想としては、やはり漫画という形は伝わりやすく、読みやすいです。
とはいえ、文章のほうが多いので「マンガでやさしくわかる」と言うには、いまいち期待はずれかも。
文章を読むのがつらい場合は漫画だけを読んで、余裕があったら文章も読む形でもいいですね。
認知行動療法がどういう治療法かを知る、最初の1冊としても良い本です。
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