健康に関する本を読んでいると、「うつ病に間違われやすい」「うつのような症状が出ることもある」と書いてあるのを目にするようになりました。
以前は、精神科は内科や外科で体に異常が認められなかった場合に、心の病気かな?と行くものでした。
しかし、今ではうつ病の患者数が増えています。過労やストレスなど心当たりがあると、最初から「うつ病?」と考えてしまいますよね。
体の不調なのに心の治療を始めてしまうと、効果も出ませんしもったいないです。
まずは体の不調が隠れていないか確認したほうがいいので、うつ病と間違いやすい病気をまとめました。
- 【栄養】鉄不足・質的栄養失調
- 【腸】過敏性腸症候群・SIBO(小腸内細菌増殖症)
- 【神経】自律神経・スマホ首
- 【睡眠】睡眠時無呼吸症候群
- 【ホルモン】副腎疲労症候群・甲状腺機能障害
1.【栄養】鉄不足・質的栄養失調
鉄分が不足していると、うつ症状が出ることがあります。
日本人女性は鉄不足が多く、特に生理がある年代の女性や出産後の女性はなりがちです。
病院で貧血と診断されなくても、通常の血液検査では調べないフェリチンが少ない「隠れ貧血」が多いそうです。
鉄不足のほかに亜鉛・マグネシウム・ビタミンDの不足も、うつ症状につながるので注意が必要です。
参考本はこちら。
読んだ感想はこちら。おもに鉄不足についての本です。
『薬に頼らずうつを治す方法』の感想。マンガと巻頭カラー入りでわかりやすい
読んだ感想はこちら。鉄不足だけでなく亜鉛・マグネシウム・ビタミンD不足についても書かれている本です。
『うつぬけ食事術』の感想。未病、不定愁訴…原因不明の体調不良のときに読みたい本
2.【腸】過敏性腸症候群・SIBO(小腸内細菌増殖症)
鉄不足・質的栄養失調を治すための栄養療法をしても、効果が出ない人もいます。
その場合は、腸に問題があるかもしれません。
難しいのが、過敏性腸症候群とSIBOという2つの可能性がある点です。
過敏性腸症候群とは、腸に異常がないのに下痢や便秘などが続く病気です。
原因がはっきりとしないうえに排泄が不調だという負担もあり、うつ症状を引き起こすことがあります。
一方で、SIBOは小腸の中で腸内細菌が増える病気です。
過敏性腸症候群だと診断されていた患者の85%がSIBOの症状にあるというデータが出ており、どちらか判断がつけにくくなっています。
お腹に悩みには腸内フローラ(腸内細菌叢)を増やしたほうがいいと言われていますが、SIBOだと逆効果になってしまうのです。
参考本はこちら。
3.【神経】スマホ首・自律神経失調症
パソコンやスマホを使用するときの姿勢はうつむきがちになり、首に負担がかかります。
「首こり」「首疲労」は頭痛やめまい、自律神経の乱れなどを引き起こし、うつ症状が出ることがあります。
個人的には大画面テレビも画面が明るすぎて睡眠の質を低下させ、良くないと思います。
参考本はこちら。
4.【睡眠】睡眠時無呼吸症候群
NHK『あさイチ』によると、うつ病患者の4割が睡眠時無呼吸を併発しているそうです。
熟睡できていないために集中力の低下や疲れが出るのを、うつ病と間違えてしまうことがあります。
睡眠時無呼吸症候群の症状には以下のようなものがあります。
- いびき
- 睡眠中の呼吸停止
- 中途覚醒
- 起きたときに口が渇いている
- 起きたときに疲れが取れていない
- 日中の眠気
- 疲労感
また、肥満の人はリスクが高いです。
5.【ホルモン】甲状腺機能障害・副腎疲労症候群
ホルモンバランスの乱れで、うつ症状が出ることがあります。
甲状腺機能障害は、新陳代謝を調整する甲状腺ホルモン。
副腎疲労症候群は、ストレスに対抗する抗ストレスホルモン。
甲状腺機能障害だと、動悸や暑がり・寒がりになるなど体感もあるので、体の異常ではないかと考えられるかもしれません。
しかし、副腎疲労症候群は抗ストレスホルモンですから、うつ病と間違えやすいですね。
うつ病の仕組みはまだ解明されていませんが、脳の働きや神経伝達物質に異常が出ているとわかってきています。
脳も体の一部ですから、体の不調と関係していてもおかしくありません。
うつ病かな?と思ったら、まずは体に不調が出ていないかどうか、体の健康を保つための栄養や睡眠が摂れているかを確認したいですね。