依存症啓発漫画『だらしない夫じゃなくて依存症でした』。自分でコントロールできなくなるとはこういうこと

2018年12月、厚生労働省は依存症の理解を深めるための普及啓発事業を実施したそうです。

その一環として依存症啓発漫画がネットで公開されており、とても良い内容でした。

依存症啓発漫画はこちら。
だらしない夫じゃなくて依存症でした

強迫性障害と依存症は、類似した症状をもつ障害として「強迫スペクトラム障害」というグループになっています。

やめたいのにやめられない、悪循環に陥ってしまう、脳の報酬系の関与など共通点があるのですね。

私は自分の強迫性障害には行為依存のような面があると思っているので、依存症関連の記事にも目を通しています。

『だらしない夫じゃなくて依存症でした』は、依存症の問題点や本人と家族の心情がよく描かれていました。

絵柄も魅力的で、なんていうかこういうサイトの漫画としてぴったりです。

中でも、依存症患者の夫のことをその妻から相談されている、依存症経験者のセリフが印象的でした。

「旦那さんも最初は飲む明確な理由があったんだろうが

多分今は飲む理由を自分で探してるんじゃないかな」

(第5話より)

一見、患者である旦那さんが「飲みたくて」飲む理由を探しているかのようにとれますが、そうではないのですよね。

脳がお酒を求めて「飲みたい」という信号が出る。でも、理性では飲んではいけないとわかっているから、飲むことを正当化するための理由を探す。

コントロール障害になってしまうのです。

私も悪化時には手洗いをする理由を探していたようなときがあったので、同じ仕組みだと感じました。

第6話「家族の接し方」からは治療の過程も描かれていて、強迫性障害のご家族にも参考になると思います。

特に、依存症者の問題を助長させてしまう行為である「イネイブリング」は、強迫性障害にも当てはまります。

強迫行為を手助けする「巻き込み」に応じていると、本人の強迫行為のデメリットが小さくなってしまう。やめるメリットも小さく見積もられてしまいます。

「例えば家族が世話したり尻ぬぐいしたりすると

本人がお酒を飲む問題に気づけないのよね~」

「本人の問題は本人が引き受けて

やめるメリットに気づかせようってことね」

(第6話より)

全9話+番外編なので、お時間があるときにどうぞ。

だらしない夫じゃなくて依存症でした

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