本『図解 やさしくわかる強迫性障害』を参考に、6日間の曝露反応妨害法をやった感想と、やり方で工夫した点です。
6日間の曝露反応妨害法の感想
やる前よりは、強迫性障害がぐっと良くなりました。
以前から、自分なりに手洗いを我慢したり、曝露反応妨害法に近いことはしていました。でも、きちんと手順を踏み、集中して行ったことで、短期間で症状が治りました。
挑戦する前は、こんなにたくさんの課題を短期間でできるようになるのだろうか?と不安でした。やり始めてからも、想像以上に課題が怖くて泣いたり、できないと思ったりもしました。
いざ課題をやってみると、昨日は怖いと思っていたものに、今日はスッと触れるといった変化を実感できました。汚いと思うものに対する恐怖度が、坂道のようになめらかに下がるのではなく、ガクンガクンと階段状に下がる感覚です。
一晩寝ると、恐怖度が下がっていることが多かったです。寝ている間に脳の中が整理されるのかな?
つまづくことだらけでしたが、課題をこなしていくうちに、恐怖が下がる経験を積んで、自信が持てるようになりました。最初は恐怖度が高い課題でも、「いまは怖いけれども、これを超えたら、前と同じように恐怖が下がるかもしれない」と思えるようになり、次の課題に進めました。
「治したい」という「動機づけ」が一番の難関
本にも書いてありますが、そもそも、曝露反応妨害法をやる気になるまでが、一番の難関です。
私の場合は、治りたいという気持ちも、曝露反応妨害法をやりたいという気持ちも強かったです。それでも一つ一つの強迫行為になると、「これはまだやっていたい」というものがありました。
それは、地面や腰・太ももなど、強く汚いと思っているものに触ったあとの手洗いです。
これらは、日常生活を送るうえで回避しようと思えばできます。不自由という「動機づけ」が弱かったので、無理をして治す気になれませんでした。
一方、トイレ小のあとに手洗いを2回するのも、治さなくてもいいと思っていた強迫行為でした。
しかしこちらは、1日に何回もする行為です。本当のところでは2回よりは1回のほうがハンドソープや時間の無駄が無くなり、できれば治したい行為でした。
考えたあげく、曝露反応妨害法をやるうえで、「水抜き」の代わりに治った状態での理想の手洗いにしようと考えた結果、手洗いを1回に減らすことができました。
手洗いありでやる曝露反応妨害法にも効果はある
私は、トイレ後・外出後・調理前など、治ってからもやる手洗いはしたままで、曝露反応妨害法をやりました。
手洗いありでやってもかなり回復できたので、効果はあると思いますし、「水抜き」での曝露反応妨害法はやる勇気が出なかったので、やってよかったです。
ただ、手洗いを自分に許していたことで、逃げやすいというのも実感しました。
曝露をして、その場は手洗いをしないで我慢したのに、何時間後かに別の理由で手洗いをしたときに、曝露のときの汚れも一緒に落としているような、ほっとした気持ちが出ていたこともあります。
曝露後の手洗いはできるだけ長く避ける、手を洗ったあとは汚し作業をするといったことを心がけて、手洗い後の綺麗な状態を短くするようにしました。
仕事や家事で時間が取れないときのやり方
本には「1日ゆっくり時間が取れる日を/週に3日以上は確保してください」と書いてありました。しかし、仕事をそんなに休めません。
なので、1日の中で1時間ずつ3回は曝露反応妨害法の時間を取ることにしました。時間をおいて、朝・昼・夜の3回、課題にチャレンジするやり方です。
怖さが強くて、なかなか課題に向き合えない日もありましたが、再チャレンジすることで、できるようになりました。また、「さっきできなかった」という気持ちをバネにして、今度こそ!というやる気が出せたりもしました。
朝からできた日でも、昼と夜にももう一度やって、復習するようにしました。
曝露反応妨害法をやる時間を取るのも大変でしたが、記録をこのブログに書いていたので、書くのに時間がかかって大変でした。
課題に向き合えないときのやり方
強迫観念が強くて、課題になかなか向き合えないときも多かったです。そんなときは、自分を励ましたり、方向を変えてやりました。
治ったらやるんだから今やるのも同じと考える
治った状態の自分を強くイメージしました。「治ったらこんなことはなんでもなくできる」「治ったら日常的にやるのだから、いまやるのも変わらない」そんな風に考えて、治った自分に近づけるようにしました。
リラックスした状態でやる
本にもリラックス法がいくつか書いてありますので、それに近い、呼吸を整える、姿勢を正す、体をほぐすといったことをしました。
- 呼吸を整える
息をゆっくり吸って吐く。できれば手を広げる動作をつける - 姿勢を正す
首をまっすぐにして胸をはり、顔をあげる。上を見たり両手をあげてもいい - 体をほぐす
手を後ろで組んで肩甲骨を動かしたり、ウエストをひねったりする
強迫観念にギュッと集中するのではなく、ちょっと気をそらすというか、楽な気持ちでやるようにしました。
ストーリーを作る
苦手なものに触ろうとしても、必要がないのに触るのは難しいです。足の裏だったら「ストレッチをしながら足の裏にも触る」、外出用のバッグだったら「バッグの中の荷物を整理する」など、理由をつけて触るようにしました。こういうときのために触れるようになる必要があるんだと、再認識することもできました。
本を読んだだけでどれくらいできるのかと、自分なりに手洗いありにしてしまったことで、ちゃんと効果が出るのか心配でした。しかし、かなりいろいろなことができるようになり、生活が楽になって満足しています。
『図解 やさしくわかる強迫性障害』には「6日間の取り組みを2~3週間続けて定着させる」と書いてあるので、3月いっぱいは続けて、いまの感覚を忘れないようにします。今回、チャレンジしたこと以外でも、減らせそうな強迫行為があれば、治していきたいです。
新版『図解 やさしくわかる強迫症』が出ています。