『強迫性障害の治療ガイド』を読みました。
ページ数の少なさから特に読む必要はないかと思っていましたが、読んでみて「ああ、こういう本か」と納得しました。
本と言うよりは練習帳(ワークブック)に近いですね。強迫性障害の曝露反応妨害法を行う病院でこの本を患者さんに買ってもらい、使いながら治療を進める…そういう目的もあって出版された本ではないかと思いました。
強迫性障害の治療法である曝露反応妨害法のやり方がわかりやすくコンパクトにまとまっています。
『強迫性障害の治療ガイド』の内容
導入編
- 強迫神経症についての知識
- 強迫神経症の症状
- 強迫神経症の治療
- 治療の経過
実践編
- 治療の進め方
- 治療に入る前の心構え
- 治療中に陥りやすい考え
- ターゲットに挑戦
- 付録
B5判・34ページと薄い雑誌のような本で、導入編は強迫性障害の知識、実践編は曝露反応妨害法のやり方が書かれています。
薄いといっても必要なことは十分に書かれています。「必要にして十分」という感じですね。
導入編
強迫性障害がどういう病気かという基礎知識に始まり、症状のチェック表、強迫観念と強迫行為の悪循環の仕組みが説明されています。
悪循環の図解の下には「強迫行為は麻薬のようなもの!!」ときっぱりと書かれていました。
実践編
強迫性障害の行動療法である曝露反応妨害法のやり方が書かれています。
どのように治療を進めるか、治療に入る前の心構えから始まっていますので、曝露反応妨害法に興味がありながらやる決意がついていない人も参考になるのではないでしょうか。
特に良かったのは、「強迫症状による苦痛」と「治療を始めることへの一時的な不安や不快感」を天秤にかけている図です。
曝露反応妨害法は苦痛が大きくてとてもできないと言う人が多いですが、治さない限りは「強迫症状による苦痛」はあるわけです。
私も「強迫症状による苦痛」と「治療の苦痛」をくらべて、曝露反応妨害法をやる決意をしました。ただ、「一時的な不安や不快感」というほどちょこっとではなく、最初の山を越えるまでの数週間は辛かったですが…。
それでも強迫性障害の苦痛を受け続けるよりはずっと良かったです。
❝治療中に陥りやすい考え❞にある「何でこんなことしないといけないのですか?」「これだけはしたくありません!」「今日は~だからできません」などは、私も治療をするうえでさんざん思い浮かんだ言い訳なので笑ってしまいました。
本題の曝露反応妨害法のやり方も、不安階層表の作り方からしっかりと載っています。
『強迫性障害の治療ガイド』の感想
曝露反応妨害法という治療法があることを知ったときに、そのための練習帳のような本はないかと探したのですが、この本はまさに私が求めていた本でした。
強迫性障害の基礎知識と曝露反応妨害法のやり方が書かれているので、強迫性障害の本の最初の一冊としても良いです。
強迫性障害の本って内容は良いものが多いのですが、文字が小さくて分厚いものが多いのですよね。本を読むのが辛い人にはなかなか手に取りにくいです。
『強迫性障害の治療ガイド』はさらっと読めるのにしっかりと治療のサポートもしてくれるので、本が苦手な人でも曝露反応妨害法を試せるのではないかと思いました。
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