『強迫症を克服するー当事者と家族のための認知行動療法』が発売されました。
公認心理師・臨床心理士で強迫症を専門に治療している矢野宏之先生の本です。
強迫症は本人の生活に支障をきたし、また、そのことを自分で責めたりしてしまうことも多く、とても苦しい病気である。家族や近くにいる人も、そのことで巻き込まれてしまうケースが多い。
本書では、「洗浄強迫」「確認強迫」「整理整頓型強迫」「想像型強迫」……などさまざまなタイプを提示しているので、いま困っている方は自分に合ったケースを見つけることができるだろう。
また、治療についても「ひたすら我慢する」「嫌なことをする」といった誤解のない理解を目指し、曝露に関して「どうして，普通の人がしないようなことまでするのですか？」「曝露と強迫観念に耐えることは違うのですか？」など臨床現場でよく聞かれるQ＆Aも盛り込みながら解説する。
家族対応についても、知っておきたいことや家族の役割・心得などを詳細に記載している。
強迫症を克服するー当事者と家族のための認知行動療法 | 矢野 宏之 |本 | 通販 | Amazon
強迫症を理解するために有用な一書。
目次
- 第1章 強迫症を理解する
- 第2章 強迫症を治療する
- 第3章 強迫症と関連が深い病気
- 第4章 家族の対応
- 第5章 Q＆A
強迫性障害の認知行動療法は「できない」との闘いです。
しかも患者にとって何が治療になるのかが難しく、間違ったアドバイスも多いです。
そんな中、矢野先生は信頼できる治療者のひとり。サイトやTwitterでも強迫性障害について発信されています。
私も曝露反応妨害法をするときにはサイトを読んで、たいへん参考にさせていただきました。
治療方法のアップデートも熱心にされているようなので、サイトには、今では違うやり方をしているものもあるのではないでしょうか。
なので本が出版されたのはよかった…というか、正直もっと早く欲しかったです(笑)
目次だけでもだいぶ突っ込んだ内容だとわかりますし、第5章のQ＆Aも患者ならあるあるな疑問で楽しみですね。
「当事者と家族のための」わりに価格が高めですが、強迫性障害を治したい人にとっては心強い1冊だろうと思います。
Amazonで試し読みができます。
