森田療法で強迫性障害の確認強迫と加害恐怖を改善した症例

ダイヤモンドオンラインに、森田療法で強迫性障害を改善した症例が載っていました。

仕事のミスを恐れて確認を繰り返してしまう確認強迫と、人に害を与えてしまうのではないかという加害恐怖のお話です。

ミスが心配で確認を繰り返して帰れない…森田療法流「強迫症」解決法

森田療法による確認強迫の症例

確認強迫では30代男性・会社員の事例。

仕事でミスをして上司に叱責されたことをきっかけに、確認の回数が増えていったそうです。

ミスをして怒られたから確認をするというのは、当たり前の姿勢ですよね。

でも度を越してしまうと、今度は確認行為のし過ぎで仕事に支障が出てしまうのです。

中村医師の回答
不確かな気持ちのまま、次の仕事に着手する

◎「誤りがないか」という不安自体は、自然なことです

本人には強迫症という診断名を伝えました。そして強迫症に適応のあるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を処方するととともに、業務負担の軽減を求める意見書を作成し、会社側の配慮を求めました。

患者さんには、仕事のミスをきっかけに、業務に誤りがないかという不安が生じること自体は自然であること、問題はそのような不安がなくなるまで徹底して確認しようとする対応にあることを指摘しました。

実際には確認を繰り返していくうちに、ちゃんと確認できたかどうかもだんだん不確かになり、「確認が確認を呼ぶ」という悪循環にはまっていくことを伝えると、理解が得られたようでした。

不安はあっていい、不安をなくそうとするのが問題なのですね。

基本的なこととして、確認を繰り返すうちに悪循環にはまるというのも、知っておく必要があります。

たくさん確認すれば確信が得られるわけではなく、かえって曖昧になっていきます。

◎確認作業は2度まで。すばやく行動の転換を

再診からしばらくは、仕事の負担が減って少し楽になったものの、まだ確認に長時間を要し、効率が悪い仕事ぶりが続きました。そこで、確認行為は2回までにとどめ、まだ不安や不確かな感じが残っていても、そのまま次の仕事、次の仕事と手を出していくように行動指導を行いました。

患者さんは時には「確認の渦」に巻き込まれたものの、助言されたように行動の転換を素早くしていくうち、気が付けば不安は自然に流れ去っていることを実感するようになっていきました。次第に業務の効率が改善し、半年後には負担軽減措置を解除することができました。

森田療法による加害恐怖の症例

「何か相手に害となるような行動をしでかしてしまうのではないか」といった考えに苦しむ加害恐怖の事例。

人に暴力をふるったり怪我をさせたり、暴言を吐いたりといった考えが浮かびます。

不潔恐怖でも、「人に汚れや病気をうつしてしまう」などの強迫観念は加害恐怖でもあると言えます。

◎強迫観念は「空に浮かぶ雲の如し」

「とんでもない事態を引き起こしてしまうのではないか」という恐れを抱くのは、人一倍「安全に平穏に生きていきたい」と願っていることの裏返しです。平気で人を傷つけるような人は、おそらく「加害恐怖」や「とんでもないこと恐怖」に苦しむこともないのでしょう。

では、そのような考えが湧いてきたときにはどのように対処したらよいでしょうか。無理に抑え込まず、まずは「とんでもないこと恐怖」が出てきたなと受け止めましょう。

そして、そのような考えは「空に浮かぶ雲のようなもの」とみなして放っておけば、時間の経過とともに通り過ぎていくものです。私たちが雲と戦わないのと同様、そのような考えと戦う必要はないということです。

考えを抑え込まずに受け止めて、放っておくことが対処法となります。

「空に浮かぶ雲のようなもの」つまり、自然にそこにあるものだということですね。

森田療法では「外相整えば内相おのずから熟す」といって、行動など形を整えれば、そこに気持ちや考えがあとから自然についてくることを教えます。

森田療法でも認知行動療法でも、強迫性障害の治療は行動を変えることが大切です。

強迫性障害の渦中にいると、「強迫観念があるから行動できない」と思いますが、治療では逆に「行動すれば強迫観念が薄れる」とされています。

一人だと、じゃあどうすれば行動できるのか?というところで行き詰ってしまいがちなので、こうした病院で行動を変えるための助言をもらえるのはいいですね。

 

森田療法の本ではこの記事の中村敬医師監修の『よくわかる森田療法』がわかりやすかったです。

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