アルコール依存症の薬「レグテクト」は強迫性障害にも効果があるかもしれない

アルコール依存症の薬について気になる記事を見つけました。

強迫性障害と依存症は、類似した症状をもつ障害として「強迫スペクトラム障害」というグループになっています。

以前のアルコール依存症の治療薬は、お酒を飲むと不快な身体症状を起こすものでした。

しかし、「レグテクト」は飲酒欲求が起こりにくくなる薬とのこと。

欲求に作用する薬なら、強迫性障害にも効果が期待できるのではないでしょうか。

「断酒」か「減酒」かを選択 変わるアルコール依存症治療

それが変わるきっかけになったのが、2013年に承認された国内初の飲酒欲求抑制剤「レグテクト」。神経伝達物質NMDAの受容体の働きを阻害する。NMDAは依存症の形成に関係する“報酬系”の神経回路に作用。NMDA受容体を抑制することで、飲酒欲求が起こりにくくなる。

<中略>

この「レグテクト」に続き、今年3月に発売された新薬「セリンクロ」は、飲酒欲求を抑制しつつ飲酒量を低減する「減酒薬」。選択的オピオイド受容体調節薬と呼ばれるもので、μオピオイド受容体とκオピオイド受容体に主に作用し、シグナル伝達を調節。「レグテクト」と同様に、服用時に飲酒しても抗酒剤のように苦しまない。

レグテクトの説明は以下になります。

レグテクト アルコール依存症 断酒補助剤 | 日本新薬株式会社

レグテクトの作用機序は明確ではありませんが、アルコール依存で亢進したグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで神経伝達の均衡を回復し、飲酒欲求を抑制すると推察されています。

もしも、レグテクトが強迫行為をしたいという欲求も抑えられるのなら、強迫性障害の治療薬としても使えそうですよね。

また、もう一つ「セリンクロ」という薬も新発売されたそうです。

セリンクロの説明は以下になります。

国内初のアルコール依存症における飲酒量低減薬 「セリンクロ錠10㎎」新発売

本剤は、飲酒の1~2時間前に服用することで、中枢神経系に広く存在するオピオイド受容体調節作用を介して飲酒欲求を抑え、アルコール依存症患者さんの飲酒量を低減する薬剤です(服薬遵守の上、飲酒量の低減を目的とした心理社会的治療と併用すること)。

セリンクロは頓服のようなので、強迫性障害に使うのは難しそうですね。「強迫行為をしたくなる1~2時間前」とか、わかりませんし。

強迫性障害にも使われるとしたら、レグテクトのほうでしょう。

ただ、レグテクトは2013年発売なので、もし強迫性障害にも効果があるのなら、すでに報告が出てきているはずなのかなーという気もします。

強迫性障害とアルコール依存症を併発する人もいます。飲みたいという欲求と一緒に強迫行為をしたい気持ちが減ったという話とか…あるといいのですけれどね。

強迫性障害の治療薬にも進展があることを期待します。

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