『セルフケアの道具箱』の感想。自分で手軽にカウンセリングができるワークブック

『セルフケアの道具箱』を読みました。著者は公認心理師・臨床心理士の伊藤絵美先生。

カウンセリングを受けられない人のためのセルフケアの本で、100個のワークが紹介されています。

302ページと少しボリュームはあるものの、文字は普通サイズで文字数も多くありません。細川貂々さんのかわいいイラストもはいっていて読みやすかったです。

たくさんのワークがギュッと詰まっており、「これはいいな」とか「ちょっとやってみよう」という気持ちになれました。

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『セルフケアの道具箱』の内容

ストレス、不安、不眠などメンタルの不調を訴える人が「回復する」とは、 「セルフケア(自分で自分を上手に助ける)」ができるようになること。 「洗足ストレスコーピング・サポートオフィス」の所長であり、30年にわたってカウンセラーとして多くのクライアントと接してきた著者が、 その知識と経験に基づいたセルフケアの具体的な手法を100 個のワークの形で紹介。裏付けとなるのは、「ストレスマネジメント」「認知行動療法」 「マインドフルネス」「コーピング」「スキーマ療法」といった理論や手法。それらを、一般の方がわかりやすいように、可能なかぎり専門用語を使わずに紹介します。イラストは漫画家の細川貂々さん。コロナ禍で不安を抱える人にも!

【目次】

  • 第1章 とりあえず、落ち着く
  • 第2章 誰かとつながる
  • 第3章 ストレッサーに気づいて書き出す
  • 第4章 ストレス反応に気づいて書き出す
  • 第5章 マインドフルネスを実践する(身体、行動、五感を使って)
  • 第6章 マインドフルネスを実践する(思考、イメージ、感情に気づいて手放す)
  • 第7章 小さなコーピングをたくさん見つけよう
  • 第8章 生きづらさの「根っこ」を見てみよう
  • 第9章 「呪いのことば」から「希望のことば」へ
  • 第10章 「内なるチャイルド」を守り、癒す

10個のワーク×10章=100個のワークという形です。

100個というと多いようですが、ほとんどがイラストを入れて1~2ページ。本文だけなら半ページほどのワークも多く、文字量に圧倒されることはありません。

もちろん、ぜんぶやる必要はありませんし、順番にやる必要もないと思います。

書きこむには分厚いので、紙とペンは別に用意しましょう。本書に書いてあるように鍵付きのTwitterアカウントに書きこむのもいいですね。

コラム法以外のいろいろな認知行動療法を試せる

うつ病、適応障害、不安障害などには認知行動療法が使われます。

いま医療機関で行われている認知行動療法の多くは「コラム法」。ストレスを受けた状況について感じた気分や思ったことを書いていき、それを検証するものです。

でも、中にはコラム法が合わない人もいます。

そんなときに「認知行動療法は合わなかった」と諦めるのはもったいない。認知行動療法はコラム法だけではないからです。

『セルフケアの道具箱』ではいろいろな認知行動療法をはじめとして、バラエティに富んだワークが登場します。

いままで認知行動療法にピンとこなかった人も、自分に合うものを見つけられるかもしれません。

『セルフケアの道具箱』の感想

私は伊藤絵美先生の『折れない心がメモ1枚でできる コーピングのやさしい教科書』が好きで人にもすすめていたのですが、絶版となってしまい非常に残念でした。

この『セルフケアの道具箱』は代わりとして充分!いえ、それ以上のブラッシュアップされた本になっていて嬉しいです。

私は認知行動療法や心理療法の本をけっこう読んできました。それでも、100のワークの中には新鮮なものも多くありました。

心を楽にするためのいろいろなワークをわかりやすく実践できる本になっていて、とても良かったです。

最初から順番にやらなくてもバーッと流し読みして興味がわいたところをやってみたり、目次から選んでやってもいいと思います。

著者は「はじめに」で以下のように書かれています。

本書に取り組むほうが、カウンセリングを受けるより、はるかにお金がかからず、生活時間の中で、自分の都合に合わせて行うことができるのです。

セルフケアの道具箱: ストレスと上手につきあう100のワーク

カウンセリングを受けたくても受けられない人はもちろん、心の苦しみを自分で改善したい人、コラム法に挫折した人にもおすすめです。

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