『よくわかる強迫症』の感想。カラーイラストが豊富な基本の1冊

『こころのクスリBOOKS よくわかる強迫症』を読みました。2010年に発行された『よくわかる強迫性障害』の改訂版です。

強迫性障害のことをあまり知らない人に向けた基礎知識的な本だろうと考えていましたが、思ったよりもずっと詳しく説明されていますね。満足できる内容でした。

著者の有園正俊さんは強迫性障害を経験していて、回復した今ではサイト『OCDサポート』を運営してOCDお話会を開催したり、カウンセラーとして働いていらっしゃいます。
OCDサポート

ご自身が強迫性障害だった経験があるから、ここまで濃い本にできたのかなと思いました。

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『よくわかる強迫症』の内容

「わかっているのに、やめられない…」強迫症の症状と治療法について、わかりやすい解説とイラストで、ていねいに紹介しました。患者さんにもご家族にも読みやすい1冊です。

目次

  1. 第1章 強迫症は「とらわれの病」
  2. 第2章 強迫症は、生活のすべてに影響する
  3. 第3章 強迫症の原因は、1つではない
  4. 第4章 適切な治療によって、改善が期待できる
  5. 第5章 子どもが発症した場合と、発達障害を持つ人の場合
  6. 第6章 家族もいっしょに治していく姿勢で
  7. 第7章 日常生活への対処と社会参加

『よくわかる強迫症』の感想

カラーイラストが豊富で読みやすいです。

強迫性障害がどういう病気か、どんな症状があるかがしっかりと書かれています。

「悪循環にはまるとコントロールできなくなる」「警戒と緊張でとても疲れる」など、患者の苦しみをよく伝えてくれています。

治療方法も、認知行動療法がどのような治療法なのかがきちんと説明されています。

この本を読んで自分で認知行動療法をするまでの解説ではありませんが、病院でどのような治療をするかがわかるので、何をされるかわからない不安が減るのではないでしょうか。

子供の場合、発達障害を持つ場合、家族の対応などにも触れていて、患者と家族が強迫性障害を理解するために一緒に読める本でした。

体験談も、本人と家族それぞれの視点から書かれているものがあって興味深かったです。

一見、簡単な本に見えますが、中身はかなりぎっしりと充実しています。

私は強迫性障害の本では曝露反応妨害法のやり方が載っている『図解 やさしくわかる強迫性障害』をおすすめしています。

が、この『よくわかる強迫症』もとても充実していると思いました。

『図解 やさしくわかる強迫性障害』はちょっと厚いので、薄い本から読みたい人には『よくわかる強迫症』のほうがいいかもしれません。両方を読む必要はないけれど、いろいろ知りたければ読んでもいいという感じですね。

新版『図解 やさしくわかる強迫症』が出ています。

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