ボーイズラブ漫画『テンカウント』のアニメ公式サイトにカウントダウンが表示されて話題になっていました。
テンカウントは強迫性障害の不潔恐怖症の主人公と臨床心理士の恋愛を描いたBL(ボーイズラブ)。
アニメ化が決定したものの公開時期は決まっていなかったので、なんらかの発表がありそうです。
私は試し読みしかしていないので、テンカウントだけでなく、強迫性障害を創作で扱われる心境について書いていきます。
不潔恐怖症を萌え要素として扱われたくない
不潔恐怖症や潔癖症はわかりやすいからか、創作物でキャラ付け・個性とされることがあります。
特徴のひとつとして描かれるぶんには気になりませんが、萌え要素として扱われるのは抵抗があります。
たとえば、高熱で苦しいときに顔が赤くてエロいとか言われても嫌悪感しかないのと一緒です。
こっちはそれどころじゃないんだよ!という気持ちですね。
強迫性障害は意志の力で治るものではない
不潔恐怖症は愛があれば治るかのように描かれるのにも抵抗があります。
強迫性障害は脳の不具合であり、汚いと思う気持ちや嫌悪感をコントロールできません。
恋人を汚いもの扱いするなんて愛してないのかとか、家族が大事なら治せるだろうと突きつけられるのは、愛情をはかられているようでつらいです。
たしかに、治療するうえで大切な人が支えになり、がんばって治そうというモチベーションになることはあります。
いっぽう、治らないまま離婚したり家族と離れて孤立化する患者もめずらしくありません。
どうにもできない脳の動きを、意志が弱いとか気持ちの問題とされると苦しいです。
『テンカウント』のカウンセリングのNG行為
テンカウントではカウンセリングの描写も気になりました。
臨床心理士は個人的なカウンセリングをしてはいけないし、喫茶店という公共の場でしてもいけません。
創作に突っ込みをいれるのは無粋かもですが、実際の治療法を描いているからこそ気になるNGポイントでした。
強迫性障害の理解が深まればうれしい
漫画テンカウントは2013年に発表されています。その時点で曝露反応妨害法をモチーフにしたのはすごいです。
アニメサイトに動きがあったときは、Twitterでトレンドにはいっていました。
英語のメッセージもたくさんあり、たくさんの人に愛されている作品なんだなと感じました。
強迫性障害の人の中にはテンカウントで曝露反応妨害法を知ったり、勇気づけられた人もいるのかもしれません。
複雑な心境もありますが、アニメ化をきっかけにまた作品が広まり、強迫性障害や治療法が知られるならうれしいです。