統合失調症の治療法として、認知矯正療法(NEAR)・認知リハビリテーションというものがあると知りました。
統合失調症では記憶力や集中力といった認知機能の低下が見られるので、それを改善するためのリハビリテーションだそうです。
認知矯正療法(NEAR)による統合失調症の認知リハビリテーション : 鳥取大学医学部精神科
認知機能とは、記憶力、注意力などの脳の機能を表した言葉です。一般的に統合失調症などの精神疾患を患うと、精神症状により生活が思うように行かなくなると思われがちですが、実は病気により認知機能が低下することで生活しにくくなることが知られるようになりました。例えば、「手際が悪くなって料理がうまくできなくなった」とか「何度も本を読み返さないと話が分からなくなった」などといった具合です。
<中略>
そこで近年、コンピューターゲームを使って認知機能を改善する方法が開発され、アメリカ、ヨーロッパを中心に世界的に行われるようになっています。
認知機能の衰えは、私も体験しました。強迫性障害になってから記憶力や判断力がとても衰えたのです。あまりのひどさに若年性認知症になったのかと思ったほどでした。
引用した記事にあるように料理や読書ができなくなったのはもちろん、スーパーで何を買えばいいのかわからない、レストランで自分のオーダーが決められないなどの判断力の低下がひどかったです。
自分の頭がうまく働かなくなったことへの不安や恐怖、失望は苦しいものでした。
いまは良くなってきていて、だんだんと脳の機能も戻りつつあります。
認知矯正療法は統合失調症が対象のようですが、強迫性障害にも効果が期待できるのではないかと思います。
コンピューターゲームの内容は以下の記事で取り上げられていました。
1000人に7人がかかる「統合失調症」がPCゲームで回復? 最新の治療法「NEAR」とは?
(1)ルート99:マス目に書かれた数字を順にたどってゴールを目指す。ただし同じルートは通れない。
(2)宝探し:メモをヒントにマス目に隠された宝を探す。メモの指示通りに遂行することが要求される。
(3)さめがめ:落ち玉パズルゲームの「ぷよぷよ」に似ている。作戦を立てて実行する能力が求められる。
ただ、精神科医のゆうきゆうさんがTwitterで脳トレについて以下のように発言されていたのですよ。
「脳を鍛えるパズル」を解いても「そのパズルを解く能力」がアップするだけです。 https://t.co/HtvYB8kKtC pic.twitter.com/KOzxQBPsYa
— ゆうきゆう❤️マンガで分かる心療内科❤️ (@sinrinet) 2015年10月30日
なので、「コンピューターゲームを使って」本当に脳機能が改善するのかな?という疑問はあります。とはいえ、やって毒になるわけでもないと思うので、強迫性障害でも受けられるようになるといいですよね。
いま出ている認知矯正療法(NEAR)の本は治療者向けが大半で、患者が本を見ながらトレーニングできるテキストブックのようなものはまだ発売されていないようです。
以下の本で認知矯正療法がどのようなものかに触れているようなので読んでみたいです。