わたなべぽんさんの『自分を好きになりたい。 自己肯定感を上げるためにやってみたこと』を読みました。
コミックエッセイ『スリム美人の生活習慣をマネしたら 1年間で30キロ痩せました』(通称「スリ真似」)などで人気のわたなべぽんさん。
『もっと、やめてみた。』ではお母様に虫歯のことを言えず、幼少期からひどい歯の状態だったという話がありましたね。
あ、これは親子関係がテーマの本も出るかもと思っていたら、『自分を好きになりたい。』が発表されたのでやはり!と思いました。
私は毒親育ちではありませんが、生きづらさを感じる考え方のクセはありますし、100%自分大好き・満足というわけではありません。
これまでの本でも自分を改善してきたぽんさんが、どうやって自己肯定感を上げたのか知りたいと思い読んでみました。
『自分を好きになりたい。 自己肯定感を上げるためにやってみたこと』の内容
「どうせ私なんて…」から脱するためにやってみた12のこと。
~少しずつ、生きることが楽しくなってきました~
累計20万部突破! 『やめてみた。』『もっと、やめてみた。』のわたなべぽん最新作。
幼少期のしんどい親子関係から自己肯定感が低くなってしまい、「自分が嫌い」という辛い感情を抱えて生きてきた著者・わたなべぽん。
そんな状態から脱するために、自ら考えたり試したりしてきたことを克明に記した感涙エッセイ漫画。
~大人になった私が、心の中にいる「小さい自分」の”親になったつもり”で行動してみたら、私が私でいることがラクになってきました~
目次
- プロローグ スマホを心の盾にして
- 第一話 つらい記憶
- 第二話 今からでも、変われる?
- 第三話 子供の頃、できなかったこと
- 第四話 思い出の金時計
- 第五話 子供の頃、して欲しかったこと
- 第六話 大人になってからの逆上がり
- 第七話 ほめられたことを信じてみよう
- 第八話 初めてのライブ
- 第九話 流行に乗れない理由
- 第十話 許せなくても幸せになっていい
- 第十一話 「良い思い出」を思い出せた
- エピローグ 自分が好きということ
幻冬舎のサイトで試し読みができます。
わたなべぽん<自分を好きになりたい ~自己肯定感を上げるためにやってみたこと~> – 幻冬舎plus
子供時代の苦しさから脱け出す話
けっこうキツイお母様とのエピソードが描かれてはいるのですが、愚痴や吐きだしだけではなく、今のぽんさんがどう考えたか・何をしたのかが中心になっていてほっとしました。
つらい話を読んでいると、私もつらくなってしまうので…。
とはいえ、ぽんさんが先生にほめられたのにショックを受けた話や、幼馴染の理解のない言葉など複雑な感情も描かれていて、傷の深さが伝わってきました。
一方で、高校時代の先生やぽんさんの旦那さんである「夫くん」など、周囲の人の温かいサポートにじーんとしました。
認知行動療法のスキーマ療法に似ている
ぽんさんがやった「大人になった私が、心の中にいる『小さい自分』の”親になったつもり”で行動」は、認知行動療法のスキーマ療法に似ています。
スキーマ療法とは、自分の生きづらさの元になっている価値観にアプローチする治療法。
生きづらい価値観が出てきたときに、自分の中にある健康で自立した大人の部分で対応できることを目指します。
ぽんさんと同じようにやってみたいと思った人は、スキーマ療法を頭に入れておくとやりやすいかもしれません。
スキーマ療法の本の感想はこちら。
『心の体質改善「スキーマ療法」自習ガイド』の感想。生きづらい価値観を育てなおす方法
『自分を好きになりたい。 自己肯定感を上げるためにやってみたこと』の感想
ぽんさんのお話は「ダメな自分を変えていく」ものが多いですよね。
ダメなところは親近感があって共感できますし、それをなおそうとするときの前向きな工夫ややさしい視点が大好きです。
夫くんや友達に囲まれていても、自己評価が低いぽんさん。
太っていたことや汚部屋が原因なのかな?と思っていたら、ダイエットを成功させて片づけられるようになっても、なお消えないものがあったのですね。
親子関係がテーマだけに、いままでの本とくらべたら重さや深刻さはあります。
でも、つらかった子供時代さえも自分で工夫して、時には楽しささえ見いだしながら整理していく姿に、やっぱりすごい人だなあと思いました。
今回の本はテーマに惹かれたというよりは、ぽんさんの新作だから読んでみようかという気持ちで手に取ったのですが。
私も逆上がりができなかったり(たぶん今でもできない)、大人になってからみっちり歯医者通いをしたり、金時計や赤い靴に思い入れがあったりしたので、予想した以上に共感しながら読めました。
自己否定してしまう裏にはこれがあるのかも?という気づきや「こうしてみたよ」というのを、ぽんさんらしい温かさで見せてもらえました。
私もまだまだ変わりたい自分、こうなりたい自分はいっぱいあります。
ぽんさんががんばる過程に、私もがんばろうと勇気づけられました。