『「いつもの不安」を解消するためのお守りノート』の感想。森田療法や認知行動療法の実践方法がわかる

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『「いつもの不安」を解消するためのお守りノート』を読みました。

自己啓発本のようなタイトルですが、精神科医の勝 久寿先生が治療の中で効果を発揮している方法を解説した本です。森田療法、認知療法、行動療法などの要素を取り入れています。

森田療法も認知行動療法も、やり方はわかっても実行できない人は多いです。私の場合は、治りたい→治療法を知る→怖くてできない→強迫性障害だから仕方ない、で止まっていました。

この本は森田療法をベースとして、行動に移すにはどうすればいいかを教えてくれます。治したくても行き詰っていたあの頃に読めればよかったなと思いました。

『「いつもの不安」を解消するためのお守りノート』の内容

失敗しないか常に心配、すぐに不安になってしまう。

極端な人見知り、あがり症で人前に出るのがつらい、嫌われたのではないかとひどく気になる、戸締まりを何度も確認したくなる、電車に乗るのが怖い等々……日常生活に著しく支障が出るわけではないけれど、こんな生きづらさを感じている人は「不安症」の一歩手前かもしれません。

でもその不安の裏側には、「本当はこうなりたい」というなりたい自分への願望が隠れているものなのです。

本書では、そんな不安を解消し、なりたい自分になるための方法を解説します。自分でできる心理療法を実践することで、生きやすくなるヒントがここにあります。

目次

  • 第1章 なんで「不安」を感じるんだろう?
  • 第2章 不安にとらわれず、なりたい自分になるためのワーク
  • 第3章 ケーススタディ!さまざまな不安に対処していこう
  • 第4章 不安にまつわるさまざまな病気を知る

気分本位を優先するか、目的に向かって行動するか

森田療法では、気分が優先になっている状態を気分本位、願望の達成に向かって行動できる状態を目的本位と言います。

気分本位では、何よりもまず「今の気分」が優先されます。そのため、物事がうまくいかない原因も「今の気分」、さらに言えば「不快な気分」にあると考えます。そして、その不快な気分を「すぐにでも取り除きたい」と考えるようになります。

このとき問題なのは、不快な気分を取り除くためにとる行動が一時しのぎのものばかりになりことです。(42ページより)

強迫性障害をあらわしているみたいな文章ですね。

強迫性障害のときには強迫観念さえなければなにもかもうまくいくと思い込んでいて、どうしたら「不快な気分」を無くせるのかと考えていました。

本当は治療しなくてはならないのに、認知行動療法が辛いからやりたくなかったのです。

目指すべきは、「今、自分がどういう気分か」と内側に向いている意識を、本来の願望を達成するために「今、自分は何をすればよいのか」と外側に向けることです。(48ページより)

認知行動療法を始める前に、一番のハードルになっていたのが「どうすれば実行に移せるのか」でした。

何かきっかけがあればとか、そのうち自然とやる気が出るんじゃないかと期待していました。まあ、そんな都合のいい展開にはならなくて、無駄に過ごした時間を後悔しましたね…。

ただ、無駄に時間が過ぎていることに対する焦りがつもって、認知行動療法を始められたというのもあります。そういう意味では、時間が必要だったのかもしれません。

不安にとらわれず、なりたい自分になるためのワーク

この本のワークでは自分が抱えている不安を書き出し、「こうなりたい」「こうしたい」という本来の願望を探ります。

現実に目を向け、「今からできること」を考えて行動に移せるようにしていきます。

気分本位から目的本位へチェンジする4ステップ

  1. 自分が抱えている不安(今の気分)に気づく
  2. 「不安の理由」から「本来の願望」を知る
  3. 「2つの現実」に目を向ける
  4. 「具体的な行動」を考える

シンプルですが、しっかり紙に書いてみると現実を突きつけられるような気持になります。本ではそれぞれのステップの進め方も解説されています。

不安と願望は、表裏一体のものです。「不安の理由」をひっくり返すと、「本来の願望」が見えてきます。それがあなたにとって、一番大事なものとなります。(94ページより)

私の「本来の願望」は何だったのでしょう?私の不潔恐怖症はとても漠然としたものでした。

不潔恐怖症・潔癖症と言うと自分や家族が病気になることを恐れているケースが多いですがそうではなく、ただ汚れることが怖かったのです。

「不安の理由」と「本来の願望」を考えてみたのですが…。

「不安の理由」は「無駄な時間を過ごすこと」で、「本来の願望」は「充実した生活を送りたい」だったのかもしれません。

強迫性障害になった当時は家で仕事をするようになり、通勤や身支度にかけていた時間があまって、漫然と過ごす時間が増えていました。

汚れたくないというよりは、汚れが広がって、それを処理するために多くの時間と手間をかけるのが怖かった。こまめに手洗いをしたり、汚れを家に持ち込まないほうが合理的だと思っていたのです。

強迫行為をしていることで、ためになることをしているという偽りの充実感もあったのでしょう。

でも予防のつもりで始めた強迫行為が、結果的には時間と手間を無駄にしていました。「ちょっとの労力で大きな損害を防ぐ」つもりが、真逆になっていましたね。

私の強迫性障害は、盛大な回避行動だったのかもしれません。

『「いつもの不安」を解消するためのお守りノート』の感想

ところどころに短い漫画が入っていますし、レイアウトも見やすくて読みやすかったです。

森田療法のおおまかなやり方は知っていました。

が、目的本位と言われても実行するのが難しいなと思っていました。これは、認知行動療法に対しても思っていたことです。

この本では行動に移すための手順を解説してくれているので、こういう風にやればいいのかとわかりました。

気分本位になると目の前のことしか見えず、目的本位になると長期的な目標に向かって行動できる。目的本位での「やるべきこと」をきちんとやる。

強迫性障害のときは強迫行為を「やるべきこと」だと勘違いして、一生懸命にやっていたのですよね。目的本位で見ると、強迫行為は無駄なことでやり過ぎているという現実がわかりやすかったです。

あらためて、治療意欲をあげるためには何をしたいか・どういう風に生きたいかが大切なんだなと思いました。

強迫性障害の治療に限らず、やりたいことがあってもなかなか行動に移せないときに読みたい本でした。

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