文春オンラインに『強迫症を治す 不安とこだわりからの解放』から抜粋した記事が掲載されていました。
不潔恐怖と強迫性緩慢の症例です。
汚染物質の混入が怖いから薬は飲めない…エスカレートする「強迫症」に悩まされた女性が悪循環から抜け出せた“決定的理由”
《50~100人に1人が発症》“ピッタリ”していないと“気持ち悪い”…意外と知らない「強迫症」という“病”のリアル
不潔恐怖の治療として、以下の部分が印象に残りました。
治療の戦略は基本的には変わらず、やはり鉄則『逃げない・繰り返さない・巻き込まない+ググらない』をいかに順守できるかがCBT成功のカギを握ります。ただし、特に《汚染/洗浄系》の患者が重視すべきことがあります。それは『逃げない』ことです。
<中略>
先に『逃げない』を徹底し、その中で「繰り返す」から『繰り返さない』へのシフトを狙っていく。たとえば手洗いを行えない状況であっても、代用の手段としてウェットティッシュを用いる。最初は何度も拭いてしまうとしても、少しずつ『繰り返さない』に注力していけば問題ありません。こういった代用のコツは、社会的に受け入れられる形で簡略化することです。
『強迫症を治す 不安とこだわりからの解放』より#1
※CBT=認知行動療法
回避をしないことが重要というのは、私も日ごろから思っていました。
回避するよりも、強迫行為をしながら行動するほうがずっと良いです。行動はたいへんなので、つい回避をしてしまうのですけれどね…。
回避は時間を止めてしまうし、経験上、時間を稼いだぶん1つの強迫行為が長くなりがちです。
強迫性障害を長引かせる原因にもなるので気をつけたいです。
もう一つは強迫性緩慢の記事。認知度が低いうえに子供のころに発症することが多いです。
こちらの治療も参考になりました。
「落ち着かない感じ」という点では「不安」も「不全感」も「気持ちの悪さ」も同じことです。結局、これらの「落ち着かない感じ」に晒されつつも、それを解消する行動(強迫行為)を実行しない、という点が重要なのです。
ですから、《ピッタリ系》のCBTでも戦略はほぼ変わりません。鉄則も同じです。『逃げない・繰り返さない・巻き込まない+ググらない』を適用するならば、実際の行動としては「気持ち悪さを感じても同じ行動を繰り返さずに、さっさと次の行動に移れ」が正解になります。
『強迫症を治す 不安とこだわりからの解放』より #2
『逃げない・繰り返さない・巻き込まない+ググらない』 というのはいいですね。
強迫行為を我慢している時間にググってしまいがちなので、心に刻みたいです。