2018年1月31日、徳島で68歳の母親が39歳の長女を殺害した事件がありました。
判決公判によりますと、被害者である娘が加害者である母親に、自分を殺害するよう求めた嘱託殺人だったとのこと。娘は強迫性障害で引きこもりでした。
徳島県小松島市の自宅で娘(当時39)に頼まれて首を絞めて殺害したとして、嘱託殺人の罪に問われた母親(68)の判決公判が27日、徳島地裁であった。佐藤洋介裁判官は懲役2年6カ月、執行猶予4年(求刑懲役3年)を言い渡した。
判決によると、被告は今年1月31日、強迫性障害と診断されて自宅に引きこもっていた娘から頼まれて、バスローブの帯で首を絞めて殺した。佐藤裁判官は「被告人は犯行当時、被害者とともに精神的、肉体的に著しく追い詰められた状況にあった」と指摘。「被害者から犯行を強く求められたことが大きく影響しており、非難の程度は限定的」とした。
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被告人質問の日、車イスに乗った被告は証言台の前で、手にかけた娘について、「命に代えても置いておきたかった大事な一人娘。本当に力不足のお母さんで許して下さい」と声を震わせて話した。なぜ、大切な娘の首を絞めなければいけなかったのか。
公判でのやりとりなどによると、被告は3回目の妊娠で娘を授かり、1978年に出産。天にも昇る気持ちだったという。ところが娘は21歳ごろ、トイレで3時間も手を洗うなど強迫性障害の症状が出て、引きこもるようになった。
精神疾患がある娘を親が殺害した事件は過去にもありましたが、嘱託殺人…。本当に辛いです。
事件当時のニュースによると、母親は自分も腹部と首に刺し傷を負っており、「自分で刺した」と話していました。
加害者である母親は私の母と同世代です。
私の強迫性障害が悪化していたとき、自分だけではどうにもならずに実家に帰っていたら?
両親はインターネットで情報を検索することはできません。病院といっても近所の精神科に連れていかれるだけだったでしょう。
薬が効かなくても、ほかに治療法があるかもしれないとか、病院を選ぶなどと思いもよらないはずです。
私だって強迫性障害を知る前なら、病院というものに対してそう考えていました。
事件の家族がどういう状況だったのかはわかりませんが。
もしも、まだ試せる道があるのに、知らずに行き詰ったと思い込んでしまったのなら、悲しすぎると思いました。