『やめたいのに、やめられない(強迫性障害は自分で治せる)』の感想

『やめたいのに、やめられない(強迫性障害は自分で治せる)』を読みました。

タイトルから内容のイメージがつかめずにあまり興味を持てなかった本なのですが、改めて内容紹介を見たら「『エクスポージャーと儀式妨害』のやり方を豊富な症例とともにくわしく紹介」と書かれていますね。

読んでみたらそのとおりで、もっと早く読んでおけば良かったと思いました。

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『やめたいのに、やめられない(強迫性障害は自分で治せる)』の内容

手がかぶれるまで洗い続ける、カギをかけたか何度も確認せずにいられない、集めた物を捨てられない、行動が完璧にできないと最初からやり直す—-無意味なルールにとらわれて生活がたち行かなくなる心の病「強迫性障害」。

その80%に有効な行動療法「エクスポージャーと儀式妨害」のやり方を豊富な症例とともにくわしく紹介。不可解な観念にとらわれた人たちの謎を解き明かす一冊。

  • 第1章 やめたいのにやめられない人たち
  • 第2章 強迫性障害とは
  • 第3章 強迫性障害を自分で治すエクスポージャーと儀式妨害
  • 第4章 強迫性障害を克服した体験者のリポート

第1章 やめたいのにやめられない人たち

不潔恐怖・洗浄強迫、加害恐怖・確認強迫、縁起強迫、収集癖、不完全強迫、強迫性緩慢の症例です。

加害と確認は別タイプの強迫だと思っていたのですが、この本では加害→確認というセットとされています。

まあ、強迫性障害の根本の仕組みは同じだと思うので、タイプ分けはどうでもいいのですが。確かに私が確認していた理由は加害恐怖…いやでも、被害恐怖かも?

第2章 強迫性障害とは

強迫性障害とはどういう病気か、発症のメカニズム、不潔恐怖をはじめとした各タイプの特徴について書かれています。

不潔恐怖には「自分がきれいでいたいタイプと他人に汚れを広げたくないタイプがある」そうです。

これも、私はどちらなのかわからないですね。自分も汚れたくないし人も汚したくない、両方の気持ちがあります。

第3章 強迫性障害を自分で治すエクスポージャーと儀式妨害

エクスポージャーと儀式妨害のやり方です。認知行動療法の曝露反応妨害法ことですね。

「強迫性障害は原因を追究しても治らない」と書かれていますが、ストレスやトラウマが原因だと受け止めづらいかもしれません。

私が発症した原因は本当にくだらないものだったので、うんうんそうだよねと思いました。むしろ些細なことすぎて、もしあの出来事に出あわなくても、何かしらをきっかけに強迫性障害になっただろうと思います。

「強迫儀式が『やりたいこと』になっている人は『やめたいこと』に変える」という文にはドキッとしました。私は強迫行為が「やりたくないのにやりたいこと」になっていたので、あのころこの本を読めていたら、もっと早く良くなれていたかもしれません。

肝心のエクスポージャーと儀式妨害のやり方は不潔恐怖の「6日間のプログラム」と「水抜き」です。詳しく書かれているものの、基本的には『図解 やさしくわかる強迫性障害』に書かれていた内容と変わりませんでした。

というか、「6日間のプログラム」でもトイレ後に手洗いをしていないと思われる手でシーツに触れたりしていて、私にとっては「水抜き」に見えます…。もう少しハードルの低いやり方があるといいのですが。

確認・縁起などの別タイプの場合のやり方もあります。

第4章 強迫性障害を克服した体験者のリポート

強迫性障害を認知行動療法で治された人たちの体験談です。

  • 約10年間の不潔恐怖・洗浄強迫
  • 加害恐怖・確認強迫・縁起恐怖の夫
  • 毒を恐れる被害恐怖
  • トイレから1日出られない強迫性緩慢

同じ強迫性障害としてその辛さが共感できるとともに、ここまで重症化してしまっても日常生活が送れるまでに回復できるのだという希望を感じました。

『やめたいのに、やめられない (強迫性障害は自分で治せる) 』の感想

読んでみて、題名で損をしている本だなと思いました。『強迫性障害は自分で治せる』のほうが、多くの人の興味をひけたのではないかと思いますし、内容にも合っています。

強迫性障害の症例というか、曝露反応妨害法で改善された人の症例が載っていて励まされました。

強迫性障害になって、こんなおかしなことを考える・してしまうのは自分だけではないか?強迫性障害が治ることなんてあるのか?という悩みを抱いている人におすすめです。

ただ、認知行動療法での治療が前提にあるので、認知行動療法を絶対に受け入れられない!という人には無理ですね。

認知行動療法をやるとどんな風に治っていくのかが、よくわかる本です。

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