『夢をかなえるゾウ0 ガネーシャと夢を食べるバク』を読みました。
自己啓発本で大ベストセラーの夢ゾウシリーズです。 今回は0(ゼロ)となっていますが5作目となります。
自己啓発本であり小説でもある、独特の作風が好きでぜんぶ読んでいます。
『夢をかなえるゾウ0』の内容
えっ!? 自分、「夢」がないやて? ほな「夢の見つけ方」教えたろか。
平凡な会社員を「宇宙一の偉人に育てる」と宣言したガネーシャ。しかし、彼には「夢」がなかった――。
新キャラ・バクとガネーシャの父・シヴァ神も登場する、「夢とは何か?」「夢は本当に必要なのか?」を解き明かす、夢ゾウシリーズの原点「0(ゼロ)」ついに登場!
夢をかなえるゾウシリーズは、インドの神様ガネーシャが主人公のもとにやってきて、夢をかなえるためのレッスンをするお話です。
ガネーシャは頭がゾウで体は人間、障害をとりのぞいて幸運をもたらす神様です。
この作品ではなぜか関西弁でダジャレを連発し、好き勝手にふるまう神様らしくない神様。自分のところに来てほしいようなほしくないような!?
主人公はガネーシャから出される課題を実行するうちに、夢をかなえる力を身につけていき、人生で大切なことに気がついていく…。
ところが『夢をかなえるゾウ0』の主人公は、肝心の「夢」がない若者。どうなるんだろうと興味を惹かれましたね。
ガネーシャのペットであるバクちゃんが加わったり、ガネーシャの父親との関係もひとつの軸になっていました。
『夢をかなえるゾウ0』で心に残った3つの課題
特に心に残った3つの課題を書きとめておきます。
1.実物を見る
「君たちは、インターネットやテレビ……『画面』を通して世界を知ることに慣れすぎてしまっている。しかし、それは『知っている』のではない。『知った気になっている』のだ」
200ページより
つねづね言われている言葉ですが、やはりそうだなーと思いますね。
現代は情報が多くて、体験する前から予習ができてしまう。
ネタバレを見ないとコンテンツを選べないのは、余裕のなさ、失敗への恐れ、曖昧さに耐えられない、などでしょうか。
認知行動療法にしても、知識だけではわからなかった気づきがたくさんありました。
「知った気になっている」だけで終わらないようにしたいです。
2.過去の出来事を「伏線」ととらえ、希望を持ち続ける
でも、本当に大事なのは、自分を信じられなくなるような出来事に見舞われたときこそ、自分を信じること。少なくとも、「信じようとする」ことなんだ。
213ページより
これは強迫性障害でつらかった時期を思いだして、心ずしんときました。
正直、あのころは自分を信じることはできなくなっていました。
でも、治そうと思えたのは、実は自分を信じようとしていたからなのかな…。
自分には治す力があるかもしれないという希望が、かすかにあったのかもしれません。
3.やりたくないことを全部書き出し、やりたいことに転換する
「やりたくないこと」を書き出すのは愚痴のように思えて抵抗感があったが、それを反転させて「やりたいこと」にすると心が前向きになっていった。
270ページ
私だったら
・会社で人と働きたくない → 一人で気をつかわず働きたい
ですね。
・理不尽な扱いを受けたくない → 人として尊重されていたい
とかもあるかな。
わりと、誰でもそうだろうよ!みたいなのしか思いつきませんでした(笑)
反転させるのは難しくて、例を繰り返し読みました。
『夢をかなえるゾウ0』の感想
おもしろかったです。
541ページと長く、本を読みなれていてもさすがに時間がかかりました。
とはいえ文章は軽快で、楽しんで読める軽い小説といったところ。
0(ゼロ)は主人公のパワハラ被害だけでなく、ガネーシャの親子問題ももう1本の柱になっています。
どちらも、いま社会で取りあげられることの多い話題なのはさすがでした。
ガネーシャのくだらないダジャレや俗っぽさに笑い、本質に触れられて心がしーんと静まり返り、涙がボロボロこぼれて。
感情の振り幅、いえ、振られ幅が激しいんですよね。
私が夢ゾウを読むのは、感情のデトックスができるからというのも大きいです。
偉人のエピソードが創作をまぜつつ、たっぷり盛り込まれているのも好奇心をくすぐられます。
長いし、闘病中の人は心の傷を思いだすこともあるかもしれないので、誰にでもおすすめできるものではありません。
人生の夢や目的、生きる意味を探している人には読んでみてほしい本です。
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