強迫性障害が治る過程には、ところどころでぐっと良くなるきっかけがありました。
強迫性障害は斜めにまっすぐ治るのではなく、放物線をひっくり返したようなカーブで治ると言われています。
私はその途中で何度か、階段のようにガクンとのぼるときがあったのですね。
当時のことを書いた記事へのリンクと一緒に振り返ってみます。
テレビで曝露反応妨害法を知る
最初のきっかけは、テレビで「なごやメンタルクリニック」でやっている行動療法(曝露反応妨害法)の様子を見たことです。
強迫性障害の治療法が、怖いことに向かっていくものだと知って衝撃を受けました。
あんな怖い治療を受ける必要が出る前に治さなくてはと思い、まずは自分の状態を記録しようとこのブログを書き始めました。
強迫性障害の悪化で底つき体験
強迫性障害を治す動機付け。底つき体験で「死にたい」から「治したい」になった
曝露反応妨害法を知ったものの、やる勇気は出ませんでした。
何をしていても強迫観念が出て身動きが取れなくなり、死ぬことを考えました。しかし、強迫性障害で死ぬなんて悔しいという気持ちになり、死ぬ前に治してみることにしました。
少し強迫行為が減り、短時間の外出ができるようになりました。
トイレで漏らした
トイレで漏らしたことをきっかけに、自分がどれほど強迫性障害に支配されているかを思い知り、このままではいけないことを痛感しました。
強迫性障害よりも、健全な生活を優先させようと決めました。
さらに強迫行為を減らしたものの、まだ不便な日々でした。
強迫性障害を治すために行動し始めた
体がふらふらに弱っていたので、とりあえず強迫性障害の治療をする体力をつけようと、強迫行為が出ない範囲でできることから始めました。
元気が出てきたのはもちろんですが、強迫性障害を治すために行動をする練習になったように思います。
曝露反応妨害法を始めた
恋人を巻き込んだことで病院に行くことを勧められ、曝露反応妨害法をやるしかないと思いました。
『図解 やさしくわかる強迫性障害』を読んで6日間のプログラムに挑戦。
強迫行為を減らすとともに、そのあとも曝露反応妨害法を続けられるようになりました。
もう死ぬことは考えなくなり、このまま頑張れば治るという希望が出てきました。
ポケモンGOを始めた
ポケモンGOにはまったことで行動範囲が広がり、積極的に外出するようになりました。
と同時に、まだ強迫性障害にとらわれて不便なことが浮き彫りに。
自然の中でポケモンGOをしながら次々とハプニングに襲われ、曝露のようになっていました(笑)
東京OCDの会で治った人に会う
東京OCDの会で治った人のお話を伺い、自分ももっと治りたいと思いました。
東京OCDの会で見聞きしたことは公表してはいけないので、ブログに書いていません。
とても励みになり、残っていた強迫行為をやめることができました。
強迫性障害が治るきっかけは自分で実感するしかない
強迫性障害が悪化していたころの私の願いは、朝起きたら、きれいさっぱり治っていることでした。
残念ながら、そんな奇跡は起きませんでした。
せめて強迫性障害を治すきっかけをつかみたいと思い、考え方を変えようと、ネットで情報検索をしたり体験談や治療法を読んでもいました。
でも、頭の中だけでなんとかしようとしているうちはだめでしたね。
どんなにいい言葉を見つけても、効果的な治療法を知っても、わかってもできない、だって強迫性障害はそういう病気なんだもの…と考えていました。
私の強迫性障害が治ったきっかけは、治る必要性を実感して、強迫行為をしながらも外出したり回避していたことをやるようにしたり、行動したことで生まれました。
きっかけは待っていても来ない。待っている時間がもったいない。
行動する中であらためて強迫性障害の辛さを味わい、このままではいたくないと思うたびに、一歩ずつ治すことができました。
私が治すのに使った本。新版『図解 やさしくわかる強迫症』が出ています。